February 19, 2007

「世界の中のスペイン語」

 前回、このコーナーで書きましたように、私の専門はスペインの文化なんですが、関西外大で、スペイン語の科目も担当しております。今日は、そのスペイン語について、少しお話しますね。日本で言う「スペイン語」は、英語からの言い方で、スペイン語圏では、”español”(エスパニョール)とか”castellano”(カステリャーノ)と呼ばれます。
 今、世界でどれだけの人々が、スペイン語を話していると思いますか。言語の統計をとるのはとても難しいのですが、一人の人にとって、一番よく話し、理解できる言語を第一言語、その次によく話し、理解できる語を第二言語というように、数えていきます。人によっては第一言語と第二言語が同等レベルであったり、殆ど差がない場合もあります。その第一言語の人数で見ると、スペイン語が第一言語だと言う人は、世界に3、4億いると言われます。またスペイン語が第二言語だと言う人の数まで入れると、さらに数億増えることでしょう。

 スペイン語を公用語としている国は、国の数だけで言いますと、英語に次いで、世界2位なのです。その国々は、ヨーロッパにあるスペインを初め,北米のメキシコ,中米のグアテマラ,エルサルバドル,ホンジュラス,ニカラグア,コスタリカ,パナマ,カリブ海のキューバ,ドミニカ,南米のエクアドル,コロンビア,ベネズエラ,ペルー,ボリビア,パラグアイ,チリ,ウルグアイ,アルゼンチンです。またプエルトリコ(アメリカ合衆国の海外自治領)やアフリカの赤道ギニアでもスペイン語が公用語です。またスペイン語圏の国々に囲まれたブラジル、長らくスペインの領土だったフィリピンでもスペイン語が通じます。
 もっと面白いことに、今年人口が3億人を超えたアメリカ合衆国で、スペインの人口(約4000万人)と同じぐらいのスペイン語圏出身者とその子孫がいると言われているのです。この人々の中には、英語が充分に理解・話すことができない人も多くいます。そこでアメリカ合衆国でもスペイン語を英語と同様に公用語にしている州や、また公用語ではなくても第一言語がスペイン語である人々が州の人口の半数以上を占める州もあるのです。町の主な表示や公的機関に英語とスペイン語の二言語表記にする地域もあります。

 私が去年の夏、アメリカ合衆国を訪れた際にも、スペイン語が頻繁に聞こえてきました。ワシントンD.C. 、シカゴ、ネバダ州、サンフランシスコなどなど。コーヒーショップ、レストラン、ハンバーガーショップ、ホテル、空港、旅行社。いろいろな場所で、英語を話しているけれど、明らかに第一言語ではないな、と感じる人々を見かけました。暫く観察していると、流ちょうなスペイン語で会話しているではないですか。「なんだ、だったら最初からスペイン語で話せば良かった」と思うこともしばしばでした。こちらがスペイン語で話すと、向こうも喜んで、倍のスピードで?、堰を切ったように楽しく話してくれました。
 私の同僚達(すなわち外大の教員)でも、カナダや米国などの出身のノン・ジャパニーズの教員たちが、時々、私に話しかけてくれます。英語やスペイン語で、「私はスペイン語を勉強しました」と。結構な数の人々がいますよ。

 だから、今、私の教えている学生たちに言っているんです。「将来、米国でもスペイン語が公用語になるかもしれませんよ」って。

そんな日が楽しみな今日この頃です。