ミクロネシアの旅の楽しみ方の一つに、日本では見られない上空からの島々の景観があります。行き先によりますが、左右どちらの席に座るかで楽しみ方が大きく違ってしまいます。そのため、わたしは空港のカウンターに早めに行き、期待を胸に希望の席を獲得するよう努めています。
ミクロネシアの国際空港は、東端にある29の珊瑚島から成るマーシャル諸島共和国の世界最大のクワジェリン環礁と、マジュロ環礁を除き、火山島に建設されています。空から見る太平洋の島々の美しさは、言葉ではうまく表現できないほどです。なかでも、珊瑚でできた真っ白なリング状の環礁は、『宝島』でスティーブンソンが描写しているように、まさにネイビーブルーの大海原にちりばめられた真珠の首飾りそのものです。ただし、ミクロネシアの滑走路は短く、島の海岸やラグーン島に作られた小さな空港めがけて急降下する醍醐味は、小心者のわたしにはちょいと刺激が強すぎます。
グアムを飛び立ち東に向かう飛行機は、台風の発生圏のチューク諸島に始まり、最終目的地のハワイまで数カ所の島に寄航します。日本からグアム経由で進むこのコースは、台風回廊を逆走することになります。毎年夏の雨期に調査に出かける私は、熱帯低気圧と台風に悩まされ、予定通りに帰国できなかった苦い経験があります。人は自然の前では全く無力な動物なんですね。