June 29, 2007

学生の発表を通して発見すること

 私のゼミは Sociolinguistics(社会言語学)という看板をあげています。社会言語学はその名の通り、社会と言語の関係を扱います。特に私のゼミでは、社会の中で私たちが何気なく使って通り過ぎていく言葉を立ち止まってじっくりと観察してみようという活動を中心にすすめています。

 学年末になると、学生はそれまで自分なりに研究してきたことを「プレゼンテーション」という形で発表しあうのですが、私もこれまで考えなかったようなおもしろい発見がとびだします。ある女子学生は、いつになったら自分は「おばさん」と呼ばれるようになるのだろうと常々不安に思っていたということがきっかけで、普段なんとなく耳にしているこの「おばさん」という語を明確に定義してみようと多くの人にインタビューを試み、おばさんのイメージを尋ねました。結果は、おばさんは年齢というより、どちらかというとその行動で定義されるということでした。つまりおばさん的と考えられている行動をすると、たとえ二十歳の人でもおばさんのレッテルを貼られることがあるということです。
 また、ある学生は仲間がよく口にする「普通」という言葉をみんなが同じ意味をイメージして使っているのだろうかということに疑問を感じて調査しました。「普通に楽しかった」「普通の仕事」「普通にしんどい」「普通に過ごす」などという表現に現われる「普通」の意味についてです。調査の結果、実はそれぞれの人がかなり違った「普通」の状態をイメージしながら、共通理解がなされているものと思い込んで使っているということがわかったということです。

 ゼミでもまた学生が発表をします。どんな発見が聞けるのかとても楽しみです。