July 4, 2007

ミクロネシアの旅

 前回紹介させていただいたチューク諸島から南東へ赤道に向かって1時間ほどで、長年考古学研究を行っているポーンペイ島。白や黄や赤色の花で編まれた頭飾りを付けた乗客が入ってくると、機内に甘い花の香りが漂ってきます。ミクロネシアに来たんだと実感する瞬間です。
 ポーンペイ島は4州から成るミクロネシア連邦の首都がある火山島で、ミクロネシアでは3番目に大きい島。空と海の玄関口にそびえ立つソケースの崖(写真)を、間近に見ながらの急降下は迫力そのもの。そのとき、故郷に帰ってきた感じがして、いつも胸が熱くなります。

 ポーンペイ島は太平洋で最も雨量が多く、残念ながらわたしが研究に出かける夏は雨期に当たります。まさに熱帯多雨林の島で、内陸部は1年の内340日は雨か曇り。湿度が高く、何もしないでじっとしているだけでも、汗がダラダラ流れ出してきます。ちょうど日本の梅雨どきの不快感に似ています。そんな気候のもと、内陸部のジャングルや海岸のマングローブ林の湿地の中で、発掘や遺跡の踏査や分布調査に、蚊と戦い汗だくになりながら大奮闘しています。

 先生方から、「毎年ミクロネシアに行けるなんて、うらやましいよ。」とよく言われます。ハワイやグアムなどの南国の楽園のイメージがあるのでしょうか。わたしが調査している地域は水道の設備もありません。飲み水は、なんとコンクリートに蓄えた雨水。そのため、必ずと言っていいくらい強烈な下痢と脱水症に襲われてしまいます。調査に持って行く抗生物質を含む多種多様な大量の薬をお見せしたいくらいです。でも、暖かくなってくると太平洋のことを思い、落ち着かなくなってくるのはなぜでしょうね。
 学期中は授業の合間をぬって、調査で採集した資料の整理や分析(写真)を行っています。時々、遺物整理(写真)やドイツ語やフランス語で書かれた文献の翻訳などに、学生たちの協力をいただいています。外大ならではの職権乱用でしょうか。