November 20, 2007

携帯電話

 携帯電話なんて今の大学生にとっては物心ついた時から身の周りにある当たり前の存在でしょうか。今の二十歳前後の人々は携帯電話のネイティブ世代と言えるかもしれませんね。それに対して、私は30歳を過ぎてから携帯電話に触れたノンネイティブ世代です。ある言語のノンネイティブスピーカーの話し方がどこかぎこちないのと同様、私も携帯電話をスムーズに使いこなせないでいます。正直言ってみんなが持たなくなった方が住み良い世の中になるのにとさえ思うことがあります。
 携帯電話を初めて持ったのは37歳の時でした。買った当初はなんだか嬉しくて色々な人に電話番号を教えました。でもしばらくするとそれが大変なことになるのだと気付きました。電話はこちらの都合に関係なく、突然私の生活に割り込んできます。電車の中でも、食事中でも、大事な話の最中でも容赦はありません。私の学生を見ていると、そのような突然の割り込みの電話も実にスムーズに処理しているように見えるのですが、私は突然の電話に慌てふためいてしまいます。やはり電話をかけたり受けたりするのは自分の部屋でリラックスしている状態で行いたいと思ってしまうのです。
 そこで、私は電話を受ける心の用意ができていない時は、電話に出ないことにしました。でも、これがその後の人間関係に様々な悪影響を及ぼすこととなってしまいました。後に言われたのですが、携帯電話には着信履歴が記録されるので、電話に出られなかった時は、後でかけなおすのが携帯文化における礼儀だというのです。その当時は携帯電話に着信履歴が残るようになっていることすら知らなくて、「携帯文化」という私にとっての異文化もよく理解できていませんでした。いつしか私は「失礼な人」とか「素っ気無い人」というレッテルを貼られてしまいました。そしてそれが煩わしくなり携帯電話を持つのをやめました。今は再び携帯電話を持っていますが、ごく親密な人々との通信にのみに使っています。