前回に続き8月の遺跡調査第2弾として、赤道に近いミクロネシア連邦のポーンペイ島での「世界ウルルン滞在記」風体験をお話ししましょう。
ポーンペイ島での調査は、2年前に発掘した遺跡周辺の分布調査を目的としていました。グアム島からチューク諸島を経由し、2時間半ほどでポーンペイ島には真夜中に到着。州政府歴史保存局で調査の説明を済ませ、マイクロネシアン・セミナーというキリスト教会の図書館で資料採集をして2日後に調査地へ移動しました。
ホテルのある州都コロニアから車で1時間ほど南に行ったドロパイルという村へ、タクシーで20ドル。2年前にも宿泊させていただいたミーケルさん宅に到着すると、家族の皆さんが笑顔で歓迎してくれました。最初は恥ずかしそうにしていた6歳のクリスくんも、時間がたつにつれ、最後には私の良きパートナーとなっていました。広い敷地には、ブタとイヌとニワトリたちが所狭しと、にぎやかに動き回っていました。彼らは、アジアから初めて人類が太平洋の島々に拡散してきたときに持ち込んだ、大切な三種の家畜の子孫たちなのです。
翌日から、過酷な調査が始まりました。ポーンペイ島は太平洋で最も雨量が多く、8月は雨期のまっただ中のはずなのですが、滞在中全く雨が降りませんでした。猛暑と高い湿度で不快感はピークに。その上、調査予定の遺跡は山頂にあり、急斜面の熱帯多雨林の道なきジャングルを、はうようにして登らなくてはなりません。Tシャツは言うまでもなく、帽子まで絞り出せるほどの大量の汗。途中、何度「リタイア」を口にしそうになったことでしょう。案内役の3人の現地の人たちは、ほとんど汗をかくことなく涼しい顔をしていました。
山頂の石積みの遺跡は、リーフやラグーンや外洋を望むことができる絶景の地に築かれています(写真)。滞在中、二つの山の頂にある遺跡や麓の遺跡など10カ所ほどの遺跡の調査をしました。将来この地域の遺跡の発掘ができると良いのですが・・・。
ホームステイ先では、黒ごまのような小さな虫に足を数十カ所噛まれました。そのかゆみで寝不足になったほどです。今もその痕跡がいたいたしく残っています。それも、今となっては楽しい思い出となっています。