February 4, 2009

体験談

 今回は、最新情報をお届けしましょう。遺跡の発掘調査に出かけました。もちろん、目的地はミクロネシアの赤道に近いポーンペイ島です。今までにない超過酷で過激な調査となり、体力の限界をひしひしと感じてきました。「10年若かったら」などと、さすがの私も弱音を吐いてしまいました。
 諸事情から、出発までの準備期間が2ヶ月しか残されていませんでした。発掘調査には、現地政府の歴史保存局から許可を獲得する必要があります。申請書の審査を受けるのですが、まるで入学試験の合否発表でも待つような感じで、落ち着きを完全に失っていました。その上、他人の土地にある遺跡を発掘するわけですから、地主とその地域の首長からも許可を得なければなりません。一方、手遅れにならないうちにフライトの予約。グアム経由は、夏休みのため混雑していて予約が大変なのです。

 うれしいことに、ニュージーランドの大学院に留学中の元気な拓也君が参加してくれました。拓也君とグアムで合流し、飛行機を乗り継いで夜中に現地入り。2日後に州政府の歴史保存局の協力を得て、発掘用具や日本から持ち込んだ荷物で満載になった車を走らせ、1時間ほどでメチップという村に到着。宿泊は、マングローブ湿地横に建てられた現地のお宅にホームステイ。毎晩、蚊との大戦闘で、まさに太平洋戦争状態でした。
 お借りした木の葉で編んだ薄いゴザが敷布団代わり。両側の腰骨あたりに床ずれ状の円形の痛々しい茶色いアザが、その時の後遺症としてしばらく残っていました。水道設備のない環境で、バナナ料理やココナッツミルクで煮たヤムイモや熱帯魚の刺身など現地の食生活。とてもおいしかったですよ。

 調査の目的地は、内陸部と山頂の遺跡群。高温多湿の熱帯多雨林のジャングルの急な斜面に足を滑らせながら、発掘道具や測量器械をかついでの探検隊状態。運動量が過ぎたのでしょうか、帰国時には体重が5キロ減っていました。それも今となっては、楽しい思い出となっています。リバウンドも時間の問題でしょう。ミクロネシアのインディ・ジョーンズは、映画と違って格好の良いものではないのです。
 苦労の結果、予想以上の調査の成果がありました。そのことを、授業で学生たちにお話しできることをとても楽しみにしています。