私は担当科目のうち、外国語学部「文学」では伝承文学の講義をしています。一学期は概論を、二学期は毎年干支の動物が登場する伝承を取り上げています。今年は戌年ですので、題して「犬の伝承文学」。
伝承文学に見える動物達の扱い・表現は、人間とその動物とのかかわり方を示し、同時に人間そのもののありようをも示しています。古来人間は犬を生活の伴侶としてきました。犬は人間と共同生活をするようになった最初の動物だと言われています。そして遠い昔に家畜化されて以来、猟犬や番犬として活躍してきただけでなく、実に多方面にわたって人間と関ってきました。現代の日本でも犬は猫とともに身近な飼育動物であり、百万頭以上の犬が飼われ、家族の一員となっています。その一方で「犬畜生」「〜の犬(=手先、おもねる者)」といった表現も存在します。すべての存在は両義的なのです。
2006年度2学期の講義では、「忠義な犬」「猿神退治犬援助型」「花咲か爺(犬むかし)」などの昔話を取り上げています。
写真は私の研究室にいる「犬」です。左は中国のおもちゃ、土でできていますが、ちゃんと鳴きます。右は日本のもの、神社でいただいた土鈴です。2匹とも、普段は邪悪なものが入り込まないよう、研究室の入り口付近に待機しています。