理事長あいさつ

谷本 榮子 TANIMOTO, Eiko
学校法人 関西外国語大学 理事長
関西外国語大学短期大学部 学長

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心弾む春、例年ならキャンパスに響く新入生や在学生の元気な声が今年は聞こえません。2020年は新型コロナウイルス感染の教訓を歴史に刻む年となりました。本学では入学式を取りやめ、春学期の授業もオンラインに切り替えて5月下旬から始めます。

「ともに乗り越えよう」。こうタイトルをつけ、教職員、卒業生らが学生に激励のメッセージを送る取り組みをホームページ上で始めました。学生たちは、この試練を乗り越え、成長につなげてくれるものと確信しております。私どもも、コロナ禍を乗り越え、新たな生活様式、新たな大学のあり方を考えるきっかけにしていかねばならないと考えています。

さて、本学は今秋、創立75周年を迎えます。その礎となった谷本英学院が大阪市内で産声をあげたのは1945年秋、太平洋戦争の終戦から3カ月後のことでした。創設者は、戦後日本の復興と国際社会復帰への願いを外国語教育に託したのです。

その後、関西外国語短期大学を経て、1966年に関西外国語大学を開学し、大学院そして外国語大学として初の博士課程を設置しました。現在、大学院、大学3学部、短期大学部、それに留学生別科と孔子学院を擁する、学生数約1万2000人のスケールの大きな学びの場へと成長してきました。

その根底にあって、本学の発展を支えてきたのは、規模の面でも教育の中身の面でも全国でトップクラスにある短期大学部であるといっても過言ではありません。そのアットホームで温かい持ち味は、今も力強く息づいています。

また、他大学に先駆け1960年代から国際交流にも取り組み、大学の発展をけん引してきました。現在、欧米を中心に55カ国・地域の393大学と単位互換協定を締結しています。学生のニーズに合わせた多彩な留学プログラムを通して、年間約1900人の留学生を海外に派遣する一方、30カ国・地域から約750人の留学生を受け入れています。いずれも国内有数の規模であると自負しております。

私は、教育とは「共に育つ」こと、つまり「共育」であると捉えています。それを実践すべく、私自身も短期大学部の「K.G.C.ベーシックス」授業や課題解決型授業のひとコマを受け持ち、教壇に立っています。中国の古典『礼記』にも「教学相長ず」という言葉がありますが、互いに教え合い、学び合ってともに成長する「共育」の輪を確実なものにしたいと考えています。

グローバル化が進む今日、既存の国際秩序は再構築に向けて混沌とし、AIなどの技術革新の進歩は目覚ましく、先の読みづらい時代を迎えています。こうした中、大学はかつてなく教育の質の改善を求められています。今一度、本学が掲げる教育の理念や目的に立ち返り、その達成に向けた管理運営、すなわち教学マネジメントをしっかりと構築する必要があります。その際、重視すべきは、「学生ファースト」の立場にほかなりません。教職員がワンチームとなって知恵を出し合い、とどまることなく前を見据える「不留」の精神を忘れず大学改革に取り組んでまいる所存です。

2020年5月

学校法人 関西外国語大学 理事長
谷本 榮子

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経歴

1986年 アメリカ・モーニングサイド大学 L.H.D. (Doctor of Humane Letters)
1992年 アメリカ・パシフィック大学 L.H.D.
2000年 文部科学大臣表彰
2001年 ドミニカ共和国・サンティアゴ工科大学 Doctorado Honoris Causa
2004年 大阪府知事表彰
2006年 コロンビア共和国・CESA(経営大学) 栄誉勲位
2007年 関西外国語大学短期大学部 学長
2007年 アルゼンチン・ブラスパスカル大学 Doctorado Honoris Causa
2007年 中国・北京語言大学 名誉教授
2008年 学校法人関西外国語大学 理事長
2009年 藍綬褒章
2014年 孔子学院(中国政府)先進個人章・孔子学院銀盾奨章
2017年 旭日中綬章