「子どもの心とつながる教育とは」 ひらかた市民大学で明石・短大部教授が講演

枚方市内6大学でつくる学園都市ひらかた推進協議会が主催する「ひらかた市民大学」の今年度2回目の講座が1024日、本学中宮キャンパスのICCで開かれ、明石一朗・短期大学部教授が「子どもの心とつながる教育をめざして」のテーマで講演した。聴講した約40人の市民は、同教授のユーモアあふれる講演を和やかに聞き入った。

▲枚方市民を前に講演する明石教授

 

明石教授は先ず、「教師力とは何か」に触れ①授業力:分かりやすく、ためになって、面白ければ尚よし②子ども理解力:子どもの心が開いていないと授業や教育に染み込んでいかない―とあげた。「家庭での2つの教育力」について、礼儀、言葉遣いなどの躾の大切さを取り上げ、いまの子どもたちはコミュニケーション力が衰えており、辛抱できない子が増えていると指摘。18世紀の思想家・ルソーの「子どもをダメにする方法は、欲しがるものを際限なく与えればよい」との言葉を引用して戒めた。

 

地域の教育力では「子どもたちが知らない近所のおじさんが気軽に話しかけてくる。地域の人が挨拶運動をしている所もある。大事なことだ」として、「学校が荒れてくると、子どもは挨拶も出来なくなる」と話す。さらに家庭では、「会話」「会食」「役割分担」をあげ、例えば「子どもが毎日手伝いをする癖をつける。これが労働の原点となる」とした。一方で、子どもが嫌うこととして▷頭ごなしに決めつけない。子どもの行動には必ず理由がある。人に話を聞いてもらった子どもこそ、人の話を聞く子になる▷ほかの子どもと比較すること▷家庭でのモメごと―をあげた。さらに教師と医者の立場を例に、①子どもの命を守る②信頼関係のなかで成り立っている③「どんな病気でも必ず治る」と言うように「どんな子どもでも良くなる」と言う―ことなど、3つの共通点をあげた。

▲会場から時折笑いも

 

明石教授は、子どもは多くの体験をすることで、豊かな触れ合いと出会いを見つける。本学の学生も留学から帰ってくると目が輝いているとして「原点は子どもの心の優しさに触れること」と語り、最後にマジックを披露して講演を締めくくった。

▲最後に「手の中から赤いハンカチが現れます」で終了

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