創立70周年記念感謝の集い 1800人が参加し盛大に挙行

 本学の創立70周年を祝う記念式典・祝賀会が「感謝の集い」として118日、中宮キャンパスの谷本記念講堂で開かれた。文部科学省高等教育局の戸松幹孝・私学部参事官をはじめ、英国総領事館のマイケル・シアラー総領事、本学が単位互換協定を結んでいる米国などの大学関係者、国内の大学、高校などの教育界、官公庁、企業の代表、教職員、在学生、留学生ら総勢約1800人が出席。式典会場では和太鼓集団「倭」がダイナミックに演奏し、本学吹奏楽部、混声合唱団「ラベリテ」とのセッションも披露した。同日開催のホームカミングデーに参加の卒業生たちも、同窓会総会の会場から式典に合流。午後からは3カ所で祝賀会が行われた。


▲ 1800人が参加した創立70周年記念式典
 

 この日はあいにくの空模様だったが、受け付けをすませた来賓や参加者は本学紹介のDVDが流れる中、次々と席に着いた。式典は午前11時にはじまり、この日のために制作されたDVD(約15分)を上映。参加者は、本学70年の歴史を目と耳で確かめた。谷本榮子・本学理事長が「教育環境の整備と教育力の強化に努め、大学最大の使命である有為な人材の育成を実現してまいります。そして、高等教育の担い手としての魅力と存在感を十分に発揮できるよう、教職員と力を合わせて、創意工夫を凝らし、大いなる勇気を奮って、しっかり歩み続けます」とあいさつ。文部科学省の戸松参事官は「今後とも、様々な分野で活躍し、我が国の発展に貢献できる優れた人材を育成されることを願っています」と文科大臣の祝辞を代読した。


▲ あいさつする本学の谷本榮子理事長


▲ 文部科学省の戸松幹孝・私学部参事官(左)と日本私立大学協会の小出秀文・常務理事


▲ 米国ガスタバスアドルファス大学のレベッカ・バーグマン学長 

 

 日本私立大学協会の小出秀文・常務理事、海外協定校を代表して米国ガスタバスアドルファス大学のレベッカ・バーグマン学長が祝辞を披露。祝電披露の後、在学生代表の﨑山瞳さん(英語キャリア学科4年)が英語で、モーガン・ベイリーさん(米国ディポール大学出身)が流暢な日本語で、留学体験談を織り込んだスピーチを行った。

 続いて協力企業など15団体・個人への感謝状贈呈。代表して荒川化学工業()の大谷有・執行役員業務統括部総務部長に谷本理事長から感謝状が贈られた。同窓会からは本学に記念品が贈呈され、廣本和司・同窓会長(短期大学部教授)が目録を谷本理事長に手渡した。


▲ 在学生代表の﨑山瞳さん(左)と就学生代表のモーガン・ベイリーさんがスピーチした

 

 セレモニーが終わると舞台は一変。吹奏楽部とラベリテが学歌を斉唱。続いてプロの和太鼓集団「倭(やまと)」が登場し、吹奏楽部とともに「情熱大陸」を演奏。「倭」のオリジナル曲では、全身を使って踊りながら、大小様々な太鼓を打ち鳴らし、客席を魅了した。さらに、吹奏楽部、ラベリテも登壇し、全員で「千本桜」を披露した。


▲ 和太鼓の「倭」と吹奏楽部、混声合唱段「ラベリテ」が見事なコラボを披露した

 

 午後からは本館3階のコンベンションホールと厚生北館、厚生南館の3会場で鏡開きとともに祝賀会。来賓らが出席したコンベンションホールでは、協定校からの参加者ら18人が法被を着込み、平野博文衆院議員の発声で、3樽を一斉に割って祝宴が始まった。獅子舞も登場してテーブルを回り、お祝いに彩りを添えた。日本古来の民俗芸能に海外協定校の関係者は大喜び。一緒に写真に収まるなど、あちこちで歓声が響いた。


▲ 祝賀会は鏡開きで開幕


▲ 獅子舞も大人気だった

 

【谷本榮子理事長 式典あいさつ(要旨)】

 「谷本英学院」以来の70年の歩みは、起伏と波乱に満ちたものでした。谷本英学院の創設、短期大学の開校、4年制大学の開学、国際交流ネットワークづくりなど、多くの試練と困難に直面しましたが、ひとつひとつ、懸命に乗り越えてきました。

 故谷本貞人前理事長が本学との関わりを書き著した個人史「関西外大づくり三十八年」には、学園づくりに奔走した、若き情熱の日々とともに、苦闘の数々が刻まれています。旧制大阪商科大学の学生当時、本学創立者の谷本昇・多加子夫妻からの依頼で、学園の教師を兼ね、生徒募集のポスター貼りや木造校舎の修繕に追われたこと、短期大学開設時には資金や校地の確保などに奔走し、先生方の招聘で夜遅くまでお願いに回ったこと、文部省から財政面での指導を受け、対応に苦慮したこと、関西外国語大学を立ち上げ、国際交流を海外の大学に呼びかけたものの受け入れてもらえず、挫折しそうになったこと、国内の外国語大学としては初となる、大学院博士課程後期の開設に漕ぎ着けたことなどなど、枚挙にいとまがありません。

 前理事長の座右の銘は、「不留」でした。同じところに留まらないこと、言い換えれば、常に前に向かって進み続けることです。関西外大の70年は、常に前へ前へと歩み続け「不留」の精神を具現化してきた道のりであったと言えるでしょう。

 大学を取り巻く環境を見ますと、少子化、国際化が一段と進むなか、かってない厳しい時代を迎え、国際的に通用する教育の質の向上が問われています。今こそ創学の原点に立ち返り、社会と時代の変化、ニーズを的確にとらえ、「より魅力ある」「個性あふれる」大学に成長するため、改革を進め、さらに前へ向かって、留まることなく歩み続けなければなりません。

 改めて、「不留」の精神を引き継ぎ、新キャンパス建設など教育環境の整備と、教育力の強化に努め、大学の最大の使命である有為な人材の育成を実現してまいります。そして、高等教育の担い手としての魅力と存在感を十分に発揮できるよう、教職員と力を合わせて、創意工夫を凝らし、大いなる勇気を奮って、しっかり歩み続け、卒業生の皆さま方にも、今までにも増して、母校を誇りに思って頂ける大学に成長して行くことを誓います。

 

【ホームカミングデー・同窓会総会】

 この日はホームカミングデーも開催され、卒業生や家族ら計約310人が来学。午前10時開始の同窓会総会はマルチメディアホールで開かれ、事業報告のほか、「平成27年度決算報告」「平成28年度予算案」を原案通り承認した。閉会後、参加者は谷本記念講堂へ向かい、70周年記念式典に出席。厚生南館での祝賀会もクラブ・サークルや同級生らが思い思いのテーブルに陣取り、思い出話に花を咲かせた。

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