滝川好夫教授が「ベスト消費者サポーター章」を受章

 英語キャリア学部の滝川好夫教授が、消費者支援に力を尽くした個人・団体に消費者庁から贈られる今年度の「ベスト消費者サポーター章」を受章した。520日、兵庫県企画県民部県民生活局長から本学の研究室で、賞状と記念のメダルが伝達された。

▼ 滝川好夫教授に、東元良宏・兵庫県企画県民部県民生活局長から賞状が伝達された

 

 滝川教授は今年3月、神戸大学を退官し名誉教授に。本学では2年間非常勤講師を務め、今春教授に着任した。兵庫県では、県民生活審議会委員を務め、県消費者教育推進計画検討会では座長として昨年3月の同計画「ひょうご“消費者力”アッププラン」の策定に尽力。また、昨年6月まで神戸大学生活協同組合理事長として消費者啓発活動にも尽くしたことなどが受章につながった。

▼ 賞状とメダルを手にする滝川好夫教授(研究室で)

 

 金融経済論、金融機構論という固い専攻分野を、消費者目線で読み解き、生活者の視点での研究をモットーとしている。きっかけは、1990年代前半、ブリティッシュ・コロンビア大学客員研究員として留学したカナダでの体験。モノづくりの企業より、モノを買う消費者が力を持った社会で暮らし、「大学は、企業で働く人材を育てるが、同時に彼らは消費者でもある。消費者としてしっかりしないと、企業が正しく育つことはない」と気付いた。

 

 金融論の教科書は、金融機関の視点で書かれることが多く、「貸出金利」という表現が一般的。それを滝川教授は「借入金利」で一貫し、消費者としての見方が重要であることを学生に示してきた。消費者の力を選挙権にたとえることもある。有権者は選挙の際に投票によって良い社会を作ることに参画できる。一方、消費者として何を購入するかによって経済社会を動かすこともできるのだ。そこで、滝川教授はこれを「経済的投票」と位置付ける。

 

 日常の消費生活は「デイリー・デモクラシー」の実践。良いモノを買うことで、良いモノを作っている企業を育てることができる。悪いモノを買わなければ、それを作っている企業を良い企業に変えることが可能と説く。

 「日本経済の中核をなすのは企業。その企業を育てるには消費者の力がものをいう」とも主張する。また、「お互い様」という社会連帯意識(道徳)を取り入れた経済運営が21世紀の日本を動かすという「道徳経済」を提唱している。

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