日米のお笑いについて発表会 米国出身のモーガンさん

 留学生別科で学ぶ米・ディポール大学出身のモーガン・ベイリーさんが修了式を控えた524日、中宮キャンパスの教室で独自に研究を重ねた日米のお笑いについて発表した。「AMERICAN VAUDEVILLE MEETS JAPANESE VARIETY 米国のヴォードヴィルと寄席とのデアイ」と題した発表会は、1年間学んだ日本語と英語の2カ国語を駆使。友人の留学生や外大生、教員ら約30人が集まり、ユニークな視点の解説や映像に、感嘆の声が渦巻いた。

▲ 寄席研究の集大成を発表するモーガン・ベイリーさん

 

 いきなり飛び込んで来た2人組の漫才師「凸凹コンビ」のしゃべくりで幕開け。モーガンさんが事前に頼み込んで稽古を重ねてもらった本学ESSメンバーの男子学生だった。ネタは野球。ポジションごとの選手の名前が一塁手は「ダレ(誰)」、二塁手が「ナンヤ(何や)」、三塁手が「シラン(知らん)」……というわけで、ボケと突っ込みのコンビが「セカンドは(ダレ)やねん」「違う、ファーストがダレや」「わしは知らん(シラン)」「シランはサードや」と、名前をめぐってかみ合わない会話が延々と続く。素人の即席コンビと思えない、息の合ったやり取りに会場は爆笑の連続だった。

▲ 爆笑の連続だった凸凹コンビの漫才
 

 彼らが退場した後、モーガンさんがこの漫才について、「これは1937年にアメリカのコンビ、アボット&コステロが演じて大受けし、約20年続けたネタです」と解説。古い映像も披露し、

A: Who’s on first, what’s on second, I don’t know is on third. How-

C: You know the guys names on the baseball team?

A: Yes.

C: Well, go ahead. Who’s on first?

A: Yes.

C: I mean the guys name.

A: Who.

C: The guy playing first.

A: Who.

C: The guy playing first base.

A=アボット、C=コステロ)

という会話が続き、これまた爆笑の連続。内容が同じで、日米双方で笑いが取れる漫才ネタとして紹介した。

▲ 約100年前の新聞広告を映して解説するモーガンさん

 

 さらに、米国のボードビルの発展と消長について、古い新聞広告などをスクリーンに映して説明。日本の寄席についても天満天神繁昌亭(大阪市)で毎日、演じられていることや、東京の寄席は繁昌亭と違ってお弁当を持ち込んで食べるのも自由で庶民的などと本格的に解説した。東京の寄席で紙切りの芸人から取材したり、落語家からも話を聞いたといい、実地の取材の積み重ねが、充実した発表につながった。1時間にわたる発表を終えたモーガンさんには大きな拍手が送られた。
 

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