海外留学生グローバルインターンシップ 2年目の今年は31人が参加

 昨年から始まった海外留学生グローバルインターンシップが今年も5月末から8月にかけて行われ、留学生31人が参加している。受け入れ先は、▽企業12社(前年比2増)▽学校7校(同4減)▽政府機関2(同2増)。学校は減ったものの、駐大阪・神戸アメリカ総領事館、在日米国商工会議所が新規参入し、政府機関という新たな分野でインターンシップが実現した。

 

 このインターンシップは、留学生別科春学期の留学生が対象。北河内地区の高校4校、枚方市内の小中学校3校が最も早い530日にスタート。アメリカ、イスラエルの大学からの留学生10人(男3人、女7人)が34週間、英語の授業などで教壇に立ち、授業運営を手伝ったり、児童・生徒らの英会話の練習台になったり、有意義な就業体験となった。

 

 このうち、大阪府立四條畷高校では、カタリナ・ハーリング-トロットさん(アメリカ・ニューヨーク州立大学オルバニー校)とソン・ユンハ君(ニュージーランド・ワイカト大学)の2人が617日まで、主に3年生のクラスで教壇に立った。1112両日の文化祭(畷高祭)で3年生はクラス対抗の演劇に挑戦。生徒たちが取り組む様子を、2人が密着取材し、映像に収めた。最終日の17日には編集した映像を生徒の前で発表。3週間の付き合いで仲良くなった生徒たちの笑いや歓声が教室内を渦巻いた。

▲ 留学生が制作した映像に笑いや拍手が起きた

▲ ソン・ユンハ君(左)とカタリナ・ハーリング-トロットさん
 

 生徒たちから「ユンユン」と呼ばれ、打ち解けた様子のソン君は「初めは孤独を感じましたが、日がたつにつれて生徒たちと仲良くなり楽しかった」という。先生志望のカタリナさんは「いい経験になりました。帰国して大学院に進み歴史・文化を学んで将来は日米両国の教壇に立ちたい」と話していた。
 

 

 12社が受け入れている企業では、18人(男7人、女11人)が16週間の就業体験。欧米、アジアなど様々な出身地の留学生が、金融機関、メーカー、ホテル、運輸など幅広い業種で最前線の職場に通い、日本の企業文化を実地に学んでいる。

 

 駐大阪・神戸アメリカ総領事館ではアメリカ出身の男女2人が531日から10週間、在日米国商工会議所ではアメリカの大学に通う中国出身の女子学生が8週間、それぞれインターンシップに参加している。
 

 625日には、参加者の約半数が集まり、中宮キャンパスで修了報告会が行われた。谷本榮子理事長、留学生別科長のS.ザーカー外国語学部教授があいさつした後、3人がインターンシップの内容や成果、途中経過を報告した。

▲ 3人が体験を語った修了報告会

 

 R.オッペンハイムさん(イスラエル エルサレム・ヘブライ大学)は枚方市立樟葉中学校で530日から617日まで就業体験。母国にはない学校全体の体育祭や生徒との交流について報告した。


▲ 枚方市立樟葉中学での様子を話すオッペンハイムさん 
 

 66日から24日まで阪急阪神ホールディングス株式会社でインターンシップを経験したマロリー・ジョーンズさん(アメリカ セントラルコネティカット州立大学)は、外国人客への電車の乗り換え案内といったテーマが与えられ、苦労したことなどを報告した。

▲ 電車の乗り換え案内に苦労したというジョーンズさん

 

 61日から729日まで在日米国商工会議所で就業体験しているリ・ホウカさん(アメリカ コルゲート大学)は日本語と英語の両方で報告。少ない人数の中で業務に携わり、積極的に日本のビジネスを理解しようと努力している様子を話した。

▲ 在日米国商工会議所で就業体験中のリさん
 

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