FD委員会主催「第6回授業実践研究フォーラム」 杉森公一・金沢大学准教授が基調講演

 FD委員会主催の第6回授業実践研究フォーラムが16日、中宮キャンパスのICCで開かれた。ICCホールでは開会式に続き、金沢大学国際基幹教育院高等教育開発・支援部門の杉森公一准教授が「学生と教師を結び、深い学びへ繋ぐには―アクティブ・ラーニング型授業と大学教育のかたちづくり―」と題して基調講演した。この後、5教室に分かれ、22の研究発表が行われ、授業方法について意見交換するなどした。

▲授業実践研究フォーラムの基調講演が行われたICCホール
 

 基調講演で杉森准教授は、アクティブ・ラーニングが求められる背景として、大学進学率が5割を超える「大学全入時代」を迎え、高校と大学の学習環境のギャップを埋めることや、グローバル化の進展で国際競争力の強化が必要になったことなどを指摘。大学改革をめぐり、高大接続でアクティブ・ラーニングが重視されていることなど文部科学省の最近の動きにも触れた。

▲アクティブ・ラーニングについて語る杉森公一・金沢大准教授
 

 さらに、杉森准教授は金沢大学で取り組んでいる「アクティブ・ラーニング・アドバイザー(ALA)」の事例を紹介した。上級生が下級生に対してアクティブ・ラーニングに関係する学修補助を行う制度で、2016年度は約230人がALAとして活動。受講生にとっては、グループワークの活性化や発表の質向上といった効果があり、ALAにとっても教える経験を通して自らの学びにつながるなどの意義があると説いた。
 

 そのうえで、杉森准教授は、アクティブ・ラーニングには、学生に「深い学び」を促す授業法が重要だとし、レポート・討論など「書く・話すというアウトプット活動」などの学修活動と「レポート・提出物のフィードバック」などの学修評価を組み合わせた授業の仕組みを紹介。アクティブ・ラーニング型授業の分類と戦略性を説明しながら、「研究活動はもっとも優れたアクティブ・ラーニングです」と語った。
 

 講演の途中では、聴講者2人ずつでペアとなり、1人が配布資料に記載されたアクティブ・ラーニングについての2つの定義の1つを読み、交互に相手に内容を説明するワークショップも行われた。

▲「異文化理解と言語」の研究発表が行われた教室
 

 一方、研究発表は、①ネイティブ教員による「Teaching Practices」②教職教育・英語学③大学英語教育④授業方法⑤多文化理解と言語―の5分野に分かれて行われた。

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