教育実習での体験を語り合う研究会 教職をめざす学生が白熱討議

 教職を志望する学生が、中学、高校での教育実習体験を語り合う「教育実習研究会」が6月24日、中宮キャンパスのICCで開かれました。参加した約140人の学生たちは実習での苦労話や感動したことなどを披露。問題点については、各グループで解決策を探っていきました。

 

▲教育実習の難しさを話し合ったグループ討議

 

 

 参加者は、3週間の春期教育実習を終えた学生で、13のグループに分かれて①教科指導②生徒指導③ホームルーム・部活動について司会、書記のリードのもと、話し合いました。出てきた課題では▷ALT(外国語指導助手)との共同授業で役割分担が難しい▷ICT(スクリーンに教員の指導を映し出す情報・通信技術)をどう使うか▷授業中に寝ている子やケンカの注意の仕方が分からない▷荒れているクラスでは注意しても届かない▷グループでの遠足活動の際、迷子を出してしまった▷クラスの生徒2人が敵対関係であることを知らずに隣合わせに座らせた。事前の情報をつかんでいなかった▷5クラス持っていると生徒の名前が覚えられない―など、さまざまな体験談が出されました。

 

 こうした報告に対し、「その場合、自分はこうした」など解決法が話し合われました。①ALTとのディベートなどを取り入れるといいのでは②ICTと板書の併用がお勧め③英語の授業にはテンポが必要④教室の美化に努めた。教室が綺麗でなければ生徒の心も乱れる⑤生徒と年齢が近いので友だち感覚で接してくるが、そこはメリハリをつけること―などの提言が出ました。

 

▲全体討議で発表する各グループの司会担当者

 

 このあと、会場をICCホールに移し、司会担当が各グループでまとまった意見を発表しました。最後に、英語キャリア学部小学校教員コースの浦嶋敏之教授が総括で「今回の実習の経験を思い出話にしないで心に刻み込むこと」「さらに人間力を高める」「チーム関西外大生の強みを生かす」の3点をあげ、これからの採用試験に向けてエールを送りました。

 

 社会人入学の59歳短大生が大阪府内中学校の教育実習を終えました。「生徒にはまず、この歳でなぜ教師になりたかったか、から話しました。もともと英語が好きで1年間アメリカに留学した経験もあります。若い頃の夢だった先生になりたいという気持ちがあきらめ切れず、先生をめざしています」。59歳の実習生に中学生の反応は「生徒から『絶対に先生になってや』と応援してもらいました」。一方で「先生になりたいけど、年齢制限という壁が」というものの、グループ討議では積極的に発言していました。

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