ホームカミングデーに200人 英文毎日記者の小田真さん(87年英米語学科卒)が講演

 2017年度のホームカミングデーが外大祭2日目の28日、中宮キャンパスで開かれました。午前11時から同窓会総会がマルチメディアホールであり、卒業生ら約200人が参加しました。総会に続き、1987年に外国語学部英米語学科を卒業した毎日新聞・英文毎日記者の小田真さんが講演と西村孝彦英語国際学部教授との対談を行いました。この後、OBOGの教員の集いも開かれました。午後からは、厚生南館食堂で懇親会があり、食事をしながら往事往事をしのんだり、旧交をあたためたりしました。総会に先立ち、関西支部総会が7号館で開かれました。

▲中宮キャンパス・マルチメディアホールで開かれた同窓会総会
 

 同窓会総会は、関東、中部、関西各支部の役員らも出席して学歌斉唱で始まり、海外出張中の谷本榮子理事長(同窓会名誉会長)のあいさつを宗吉勝正副会長が代読。今年4月に藤木英幸氏が会長に就任した同窓会の新体制発足に祝意を伝え、来春の御殿山キャンパス・グローバルタウンの開学を機に、「中宮、御殿山キャンパスの一体化を推進し、グローバル人材の育成など、大学力の一層の強化を図っていきます」と決意を述べました。

 
 藤木会長が「在学生への奨学金給付やクラブ活動支援を強化し、卒業生が同窓会会員として活躍することを期待したい」とあいさつした後、阿江九美子副会長が「平成29
年度事業報告」を行い、遠藤幸治幹事長による「平成29年度決算報告」と「平成30年度予算案」が原案通り承認されました。最後に総務部担当者が新キャンパスの概要について説明しました。


▲「英文記者の仕事」と題して講演する小田真さん
 

 続いて、英文毎日記者の小田真さんが「英文記者の仕事」と題して講演しました。英字新聞の仕事には、直接取材して書く場合と日本語の新聞記事を翻訳する場合の2種類あると紹介。日本語の記事のスタイルは概要を書いた後、詳細な内容に入ることを繰り返す「循環型」なのに対し、英文記事は最初からストレートに中身に入るとし、「その意味で、翻訳の場合でも、日本語記事をもとにした英文作成に近い」と話しました。

▲西村孝彦教授(右)と対談する小田真さん
 

 また、英文記者は、トレーニングの積み重ねによる「職人の仕事」といえるとして、「大ニュースの速報が入ってきた場合、第1報を見ただけで、書くべき記事の最初の段落が頭に浮かぶようになった。毎日、追い込まれた状況のなかでプレッシャーを受け、記事を書く姿勢が自然と身についている」と述べました。
 

 小田さんは兵庫県尼崎市出身。大学1年の時、英字新聞などを教材にした速読の授業で「分からない単語あっても、どんどん読むような指導」を受けた結果、英文記事に興味を持つようになったといいます。2年の時には英文を書く訓練を受け、3年次の教員に「英字新聞の記者を目指せ」と言われたのが、この業界に入ったきかっけになったと振り返りました。

▲厚生南館食堂で開かれた懇親会でくつろぐ卒業生ら
 

 西村孝彦教授との対談では、記事作成が時間との闘いとされることについて、小田さんは、「記事の書き方にはパターンがある。どのパターンを選ぶかを瞬時に判断して選択する。ある程度の経験が必要で、重要なニュースが予想される場合、若手とベテランの記者をペアにして対応させるようにしている」と答えました。
 

 日本語記事を英文記事に翻訳する場合、頭をどう切り替えるのかとの質問に、小田さんは「英文は英文のまま理解することが大事。分からない単語があっても構わずに自分の中に英語型の思考回路をつくるのがいい」と話しました。これを受け、西村教授は「英語をインプットすることが大切だということに共感を覚える。学生にはゲーム感覚でもいいから英語に興味も持ってもらいたい。そこからプロの道に入る人が出てくることを願っている」と応じました。

一覧を見る