ITCL来日公演「ロミオとジュリエット」 800人が本場の英語劇鑑賞

 

 ロンドンの劇団「インターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドン(ITCL)」の第45回来日公演「ロミオとジュリエット」が518日、中宮キャンパスの谷本記念講堂で行われました。本学国際文化研究所(IRI)の公開講座。シェイクスピア劇の中でも人気と知名度の高い作品とあって、学生、教職員のほか、一般市民も含めた約800人が本場の英語劇を日本語字幕付きでたんのうしました。

▲ロミオ(左)が友人のベンヴォーリオと登場
 

 物語の舞台はイタリア・ヴェローナ。互いに敵対するキャピュレット家とモンタギュー家。キャピュレット家の娘ジュリエット(エイミー・ヒスロップ)とモンタギュー家の息子ロミオ(ジェローム・ダウリング)は舞踏会で知り合って恋に落ち、両家の確執にもかかわらず、修道僧ロレンスの仲介で秘密の結婚式を挙げます。

▲ジュリエット(左)は乳母と登場
 

だが、ロミオはジュリエットの親戚にけんかを売られ、親友を殺されたうえ、相手を殺してしまいます。ヴェローナを追放されたロミオと悲嘆にくれるジュリエット。ロレンスは2人の再会を画策するが、不運が重なり、悲劇が――。

▲舞踏会で出会い、たちまち恋に落ちるロミオとジュリエット
 

 第1幕では、ロミオが友人のベンヴォーリオと、ジュリエットは乳母とそれぞれ登場。ジュリエットの父キャピュレットが主宰する舞踏会で出会った2人はたちまち恋に落ち、ロレンス神父に相談したロミオはその計らいでジュリエットと秘密に結婚。

▲秘密に結婚式を挙げる2人
 

 劇は全体として悲劇として描かれるが、ロミオの友人のベンヴォーリオとマキューシオ、ジュリエットの乳母らは喜劇的な役回りを担い、第1幕ではそうした要素が随所に盛り込まれ、観客を沸かせました。

▲有名なバルコニーのシーン。愛を語り合う2人
 

 幸せになるかに見えた2人。だが、両家の対立から、ジュリエットのいとこのティボルトがロミオの友人のマキューシオにけんかをしかけて死なせる。怒ったロミオがティボルトと立ち回りの末に相手を殺してしまう展開に。

▲ロミオの友人のマキューシオ(左)とベンヴォーリオ。おどけた演技で観客を沸かせた
 

 第2幕は、一転、殺人の罪でヴェローナを追放されたロミオと、そのことを悲しむジュリエットの苦悩が満ちる。父親に望まぬ結婚を強いられるジュリエットはロレンス神父に頼み、42時間仮死状態にできるという秘薬を飲んで死を装う。

▲命を絶ったロミオとジュリエット。後ろはヴェローナの大公
 

目覚めた後にロミオと再会する計画だったが、その計画はロミオに伝わらず、悲劇の結末に向かう。ジュリエットが本当に亡くなったと思い込んだロミオは、眠るジュリエットのそばで毒薬を飲んで死ぬ。目覚めたジュリエットはロミオの死を目の当たりにし自ら短剣で胸を突く。終幕後、舞台上に勢ぞろいした出演者に大きな拍手が送られ、しばらくカーテンコールが鳴り止みませんでした。

▲カーテンコールに応える出演者

 

 脚色・演出はポール・ステッビングス。同劇団は1980年に結成され、日本では、古典長編作品を中心に20年以上にわたり公演を続けており、「ロミオとジュリエット」は2014年いらい4年ぶりの上演となりました。

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