シンガポール航空が単独の学内企業セミナー開く 卒業生の客室乗務員が説明

 シンガポール航空が、同社では初めての日本の大学に出向いて客室乗務員の採用について説明する学内企業セミナーがこのほど、中宮キャンパスで開かれました。参加した航空業界をめざす学生約260人が、採用担当者と本学卒業の現役客室乗務員の話に真剣に聞き入っていました。

 

▲シンガポール航空の会社概要について説明する服部善郎部長代理

 

 「客室乗務員採用では日本でナンバーワンの大学でセミナーを開きたかったのです」―。同社日本地区人事総務部の服部善郎部長代理はこう切り出し、会社概要や採用について説明しました。同社の路線は世界32カ国・62空港に就航。全従業員数1万5000人弱のうち、約7700人が客室乗務員で、その半分は男性。日本人客室乗務員は140人で関西外大卒業生は7人だといいます。出身大学別で見ても、関西外大がトップクラスといいます。同社では、キャビンアテンダント(CA)の呼称は使わず、現在もスチュワーデスと呼んでいるそうです。採用については、年2~3回の採用試験を実施。英語のレベルは、特に規定スコアは設けていないものの「高度なレベルが要求されます」(服部氏)と説明しました。

 

▲航空業界をめざす多くの学生がセミナーに参加しました

 

 続いて、現役客室乗務員で2015年に外国語学部英米語学科卒業の村井茉唯子さんが、民族衣装をベースに、ピエール・バルマンがデザインした制服(サロンケバヤ)で登場。制服は同社創業以来、変わっていないということです。

 

▲シンガポール航空の客室乗務員の制服姿で乗務試験までの訓練内容を説明する村井さん

 

 村井さんは、乗務まで14週間におよぶ訓練センターでのトレーニング内容を説明。訓練中は、基礎知識のほか英語でのコミュニケーション能力、サービス手順・方法・お客さま対応、航空機種別の基礎知識、応急手当、危険物取り扱いの試験を経て、最終テストを迎えます。

 

 また、日本人客室乗務員だけのための▷日本語の言葉遣い▷所作(正しいお辞儀の仕方など)▷文化的な違いを考慮した対応▷日本語によるアナウンスがあるといいます。さらに、乗務開始後も年に1度の「保安要員として必要な試験」「機種ごとの装備に対する試験」があり、合格しなければ乗務できないとしています。最後に、訓練中のDVDや懐かしい過去のCMが流され、セミナーを終えました。

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