IRI公開講座「三味線音楽への招待」  小唄家元の伊吹清寿さんが演奏と唄を披露

 国際文化研究所(IRI)主催の公開講座「三味線音楽への招待―上方の唄;浪速と京の唄づくしー」が10月11日、マルチメディアホールで開かれ、小唄伊吹派2代目家元の伊吹清寿さんが三味線の演奏と唄を披露しました。講座はIRI所長の野村亨外国語学部教授が英語に通訳する形で進められ、参加した外国人教員らが興味深そうに日本の伝統音楽に聴き入っていました。


▲三味線音楽について解説する伊吹清寿さんと、英訳する野村亨教授

 第1部では、伊吹さんが三味線音楽について解説し、16世紀の永禄年間に中国から琉球経由で堺に伝わった歴史や、中国の楽器の三弦、琉球の三線と三味線の類似性や相違点が紹介された後、野村教授が、沖縄の八重山諸島に伝わる古謡「安里屋(あさどや)ユンタ」を自らの三線演奏で歌いました。また、三味線には細棹、中棹、太棹の3種類があり、それぞれ、長唄、地唄、義太夫などで使われ、太棹は上方で発展したとの説明が行われました。


▲上方唄を披露する伊吹清寿さんと共演者の伊吹寿寿さん

 第2部は、「上方唄」の演奏として、商売繁盛を願った大阪の唄「十日戎」、歌詞に京都各地の名物を読んだ京都の唄「はっはくどき」や、太棹と細棹の合奏、酒宴などで歌われた「騒ぎ唄」の上方と江戸の比較などが、伊吹さんと、共演者の伊吹寿寿さんによって披露されました。

 伊吹清寿さんは横浜市出身。慶應義塾大学環境情報学部卒業。長唄、三味線を杵屋佐之忠に師事し、2012年、叔母の伊吹寿栄(小唄伊吹派初代家元)の跡を継ぎ、伊吹清寿を名乗り小唄・端唄の演奏活動に従事。
 
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