ひらかた市民大学 具本媛助教が日本のマンガとアニメについて講演

 枚方市と市内5大学で組織する「学園都市ひらかた推進協議会」主催の市民講座「ひらかた市民大学」が11月2日、中宮キャンパスのICCホールで開かれ、外国語学部の具本媛(グー・ボンウァン)助教が「文化資本としての日本とのマンガとアニメ」と題して講演しました。約50人の参加者が熱心に耳を傾けました。


▲自身を「オタク」と称し、アニメとまんがについて熱く語る具本媛助教

 韓国生まれドイツ育ちという具助教は、日本のマンガに憧れ、来日。京都精華大学で学んだ後、本学でマンガ実技と日本文化としてのアニメを教えていると自己紹介しました。自身を「オタク」と称し、日本のマンガやアニメの文化について熱く語りました。
 具助教は7月に発生した「京アニ事件」(京都アニメーションが放火され、36人が亡くなり、33人が重軽傷を負った事件)に触れ、「米アップルCEOのコメントをはじめ、世界各地から悲しみの声が届いた。京アニや日本のアニメ文化のすごさが分かる」と話しました。
 続けて、「千年の都と呼ばれる京都にも至るところにアニメがあふれている」と話し、アニメを使った京都市地下鉄のプロジェクトを紹介。京都に限らず、味噌汁で有名なマルコメのCMやアニメのコラボカフェなど「日本のあらゆる場所でオタクワールドが繰り広げられている。この状況を異常と思えないほど〝身体化〟しているのが日本」と説明しました。


▲日本ではアニメが日常にあふれかえっているとモニターで説明

 また、日本におけるアニメはもはやサブカルチャーと言えないほど好況であり、大事な文化資本であると強調しました。一方、紙媒体であるマンガ事業は危機的な状況であると統計グラフを元に説明しました。さらに、ポケットモンスター(ポケモン)に象徴されるように、海外では日本のマンガやアニメの人気は高いが、マンガが日本のように売れているわけではないといい、「インターネットという市場で、アニメは対応しているがマンガは乗り遅れている」と指摘しました。
 最後に、今後の展望として「国際化を図るか、国内市場の維持を図るかとなるが、課題も多いでしょう。しかし、日本の大切な文化であるアニメとマンガのファンが世界中にいます。さらに発展することを望んでいます」と締めくくりました。


▲具助教の講演に耳を傾ける参加者たち
 
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