KANSAI GAIDAI UNIVERSITY VISION

心の扉をひらく、
情熱と本気。

報道の現場で、「NO」を「YES」に変えていく。

私は今、日本テレビのニューヨーク支局で、報道プロデューサーの仕事をしています。対象になるのは、金融や外交、社会問題など、あらゆる分野のニュース。ニュースとして取り上げることが決まり、まず私が最初に行うのが、「取材の許可取り」です。以前、アメリカの社会を揺るがすような大きな事件が起きた時のこと。テレビの番組で、事件の状況を視聴者にわかりやすく伝えるために、過去に同じ被害に遭ったことがある人に取材をすることになりました。私が最初に電話で取材をお願いした時の答えは「NO」。ですが、そこで諦めず、なぜ「NO」なのか、相手の率直な想いを知りたいとさらにコンタクトを取りました。すると、実はその方は、「自分が取材を受けることで、今回の事件を大きくしてしまうのではないか」と懸念されていることがわかったのです。私は、「決してそういうことはない。あなたの話を社会に発信し、二度と同じことが起こらないようにしたいと思っている」と、想いを伝え続けました。そして、ついに「あなたの取材なら、受ける」と言っていただけたのです。相手の気持ちに寄り添い、真摯に向き合い続けることで、さまざまな事情を越えて、心の扉をひらくことができた瞬間でした。

「やり切る力」と「伝える力」が磨かれた、学生時代。

報道の仕事は、急な取材が入ることも多く、忙しい毎日です。そんな中で、私がポジティブに頑張れているのは、学生時代に、自分がやると決めたことを全力でやり切るという経験ができたからだと思います。私は、留学の際、現地学生でもなかなかいない「ダブルメジャー」に挑戦しました。コミュニケーション学の専攻に加えて、子どものころからの夢だった音楽も専攻したのです。その分、受ける授業の数は他の人の倍になり、とても大変でしたが、「絶対にこのチャンスを無駄にしたくない」と思い、すべての授業に全力投球で臨みました。結果、両方の学位を取得することができました。挑戦してやり切れたという経験が、自分に自信を与えてくれたと思います。また、どちらの専攻にも共通していたのが、いかに自分の想いを表現するかを学べたこと。現在の仕事で非常に重要な「伝える力」は、この留学のおかげでとても伸びたと感じます。

自分にしか伝えられないことを、突き詰めたい。

報道での取材交渉では、おかげさまで「あなたにだけ、話しますね」と言ってくださることも増えてきました。この仕事は、英語が堪能だからといってできるわけではなく、コミュニケーション力が何より重要だと感じます。私の強みでもある、相手の目線に立った寄り添い方、心くばりや気遣いをさらに磨いていきたいです。また、私は人に何かを伝えたり、表現したりすることが大好きなので、プライベートでこれまで続けてきたミュージカルやモデル活動にも、さらに力を入れていきたいと思います。私は、「死ぬときに後悔しない」、そんな生き方がしたい。やると決めたら後悔のないようにやり切る姿勢で、これからも夢を現実に変えていきたいです。

Profile

松岡 志保

外国語学部 英米語学科 卒業
勤務先:日本テレビ報道局ニューヨーク支局

子供のころから英語が好きで、家庭では英語の歌を聴きながら育つ。留学し、本格的に英語を勉強したいと考え、関西外国語大学に入学。学位留学(※)では、どちらも勉強したいという強い希望で、コミュニケーション学と音楽の両方を専攻し、両学位を取得。卒業後は、日本テレビ報道局ニューヨーク支局で報道プロデューサーとして多忙な日々を送りながら、プライベートでも音楽活動、ミュージカル俳優、モデル活動など多方面で活躍している。 (※2020 年 現在は「ダブル・ディグリー留学」。)