関西外国語大学

蔵書・コレクション他

ロッツ・コレクション (John Lotz Collection)

ロッツ・コレクション
(John Lotz Collection)

John Lotz (1913-73)

1977年、本学がアメリカから招来した、ハンガリー語を中心とするウラル言語学の故ロッツ教授旧蔵書は、異色ある大コレクションであり、日本における北方ユーラシア諸民族の言語・民族研究の貴重な資料として広く知られている。

このコレクションの旧蔵者ジョン・ロッツ(ハンガリー風にいえばロッツ・ヤーノシュ Lotz Janos)は、アメリカへ移住したハンガリー人を両親として、1913年ミルウォーキーに生まれた。7歳の時に両親と共にハンガリーへ戻って教育を受け、1935年ブダペスト大学を卒業、1937年には優秀な成績で哲学及び言語学の学位を得た。

1935年から47年まではスウェーデンに住み、ストックホルムのハンガリー研究所の所長をつとめた。この時期に、ナチス・ドイツの圧迫を避けてチェコからスウェーデンへ移ったロマン・ヤコブソンの教えを受け、ウラル語学における構造主義的研究のパイオニアの1人となった。

戦後の1947年、ヤコブソンの招きでアメリカへ移り、コロンビア大学で一般言語学およびウラル語・アルタイ語部門の主任となって、1967年までコロンビア大学教授。その後1971年までワシントンの応用言語センター所長をつとめ、1973年8月に60歳で没した。

ロッツは書斎の学者だったが、彼の蔵書内容からも明らかなように、自分の専門分野に限らず、極めて広い学問的関心の持ち主だったといわれる。母国ハンガリーの学界にも知己が多く、晩年は客員教授として度々ブダペスト大学へも出講していた。

このコレクションの内容は、ウラル語学関係と一般言語学関係の二部門に分かれる。

ウラル語学の方は、単行本と論文を併せて約2500種、雑誌・定期刊行物が約50種、論文と抜刷が約900種、そのほか若干の言語研修用レコード類から成っている。

単行本・論文では、ハンガリー語学関係のものは洩れなく集められて居り、ハンガリー語以外のウラル系諸言語に関する研究書も、ハンガリーで刊行されたものはほとんど揃っている。そのほか、文学書もかなりあって、主なハンガリー作家の作品は一通り見ることができる。

雑誌類では、ウラル語学に関するものは、ハンガリー、フィンランド、エストニアをはじめ、その他の諸言語で出ているものまですべて網羅されて居り、ハンガリーの国語学・方言学の定期刊行物もほとんど入っている。ことに19世紀以来の歴史をもつ、ハンガリーやフィンランドの言語学関係の諸雑誌(“Keleti Szemle” など約10種)が、すべて初号から揃っているのは貴重である。

なお、有名な学者の遺したコレクションの中には、各国の学者たちから寄贈された論文の抜刷の厖大な蒐集が必ずあるものだが、このコレクションにも、約900種(一般言語学関係を加えれば3000種以上にのぼる)の抜刷がふくまれ、貴重な研究資料となっている。

また一方の一般言語学のコレクションには、単行本・論文が約2500種、雑誌・定期刊行物が約100種、論文抜刷が約2200種、そのほか未刊行の報告書草稿などがふくまれている。

この一般言語関係の単行本の中には、古代エジプト語、古代インド語やエトルスクのような古典語から、ドラヴィダやエスキモーのようなヨーロッパ以外の言語にいたるまで、多種多様な諸言語の文法書が入っていて、ロッツの視野の広い学風をうかがわせる。

雑誌の部門では、現在刊行されている世界各国の言語学雑誌がほとんど初号から揃っており、ことに北欧諸国の雑誌の多いのが特色といえよう。

サールグレン・コレクション (Sahlgren Collection)

サールグレン・コレクション
(Sahlgren Collection)

Frederik Jöran Sahlgren (1884-1971)

サールグレン・コレクションは、スウェーデンの著名な言語学者で、地名学者でもあった故G.F.ヨーラン・サールグレン博士(Gustav Frederik Jöran Sahlgren, 1884-1971)の蔵書を補充したコレクションである。本学は昭和50(1975)年度、文部省私立大学研究設備等補助金を受け、このコレクションを購入した。

旧蔵者ヨーラン・サールグレンは1884年4月8日生まれで、1912年ウプサラ大学にて博士号を取得、同大学の講師及びスウェーデン語辞書編集委員となる。1916年ルンド大学で北欧語の教鞭をとった後、1930-50年の間、再びウプサラ大学にて北欧地名研究の教授職に就いていた。

1913年、スウェーデン地名資料施設(Svenska ortnamnsarkivet)の設立及び雑誌“Wamn och Bygt”「名称と地方」の編集発行など、スウェーデンにおける地名研究に多大な影響を与えた。さらに1925年にウプサラに中部スェーデン地名学会、1937年にはウプサラ地名学会の設立に尽力した。また、スウェーデン方言辞典の編集機関の形成を推進した。

サールグレンのこれらの功績は、スウェーデンのみならず、他の国においてその例をみない地名学という学問分野を築いたと言っていい。

コレクションの内容は、ゲルマン民族に関する歴史や、北欧の諸言語、アイスランドを主とした文学、地名学、民俗学の各分野にわたっている。

本学では、平成5(1993)年、このコレクションのうち、主な著作、論文、テキスト類、約2,800点を整理し、カタログ(B5版、132ページ)を刊行した。

紀要論文

  • 関西外国語大学 研究論集
    紀要

    教員の研究成果を発表するため、昭和31年2月に創刊されました。現在は年2回刊行されています。

    タイトル
    研究論集
    編者
    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
    発行者
    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
    英語タイトル
    Journal of Inquiry and Research
    巻号(年月次)
    1号(昭31.2) -
    ISSN
    0388-1067
    国立情報学研究所/書誌番号
    AN00046778 (1号 - 11号)
    AN00046756 (12号 -)
    国立情報学研究所/書誌番号
    関西外国語短期大学研究会(1-11号) → 関西外国語大学研究会(12-20号) → 関西外国語大学、関西外国語短期大学(21-24号) → 関西外国語学園創立30周年記念論文集編集委員会(25号) → 関西外国語大学、関西外国語短期大学(26-55号) → 関西外国語大学、関西外国語大学短期大学部(56号 -)
    出版者名の変遷
    関西外国語短期大学研究会(1-2号) → 関西外国語短期大学(3-11号) → 関西外国語大学 (12-20号) → 関西外国語大学、関西外国語短期大学(21-55号) → 関西外国語大学、関西外国語大学短期大学部(56号 -)
    英語タイトルの変遷
    Kenkyu-Ronshu : The Review of Inquiry and Research (1-33号) →The Review of Inquiry and Research (34-53号) →Journal of Inquiry and Research (54号 -)

    目次と本文は、関西外国語大学機関リポジトリでご覧ください。

  • 関西外国語大学留学生別科 日本語教育論集
    紀要

    年1回刊行されています。

    タイトル
    関西外国語大学留学生別科 日本語教育論集
    編者
    関西外国語大学留学生別科
    発行者
    関西外国語大学留学生別科
    英語タイトル
    Papers in Teaching Japanese as a Foreign Language
    巻号(年月次)
    1号(1990/91)-
    国立情報学研究所/書誌番号
    AN10416807
    編集名の変遷
    関西外国語大学留学生別科日本語スタッフ(1-3号) → 関西外国語大学留学生別科(4号-)
    出版者名の変遷
    関西外国語大学留学生別科日本語スタッフ(1-3号) → 関西外国語大学留学生別科(4号-)
    英語タイトルの変遷
    Papers in Teaching Japanese as a Foreign Language (6号-)

    目次と本文は、関西外国語大学機関リポジトリでご覧ください。

  • 関西外国語大学 教育研究報告
    紀要

    教育内容・授業方法に関する研究発表の場として、2000年11月に発刊されましたが、第3号(2004年2月)で終刊となり、以降は『関西外国語大学 研究論集』に含まれることとなりました。

    タイトル
    関西外国語大学 教育研究報告
    編者
    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
    発行者
    関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
    英語タイトル
    Kansai Gaidai Educational Research and Report
    巻号(年月次)
    1号(2002)-3号(2004.2)
    ISSN
    1346-0196
    国立情報学研究所書誌番号
    AA11507316

    目次と本文は、関西外国語大学機関リポジトリでご覧ください。

PAGE TOP