「Intercultural Engagement Program(以下IEP)」の参加者の声をお届けする同コンテンツ。
第4回の今回は、Spanish Learning Teamでチームリーダーとして活躍されている髙木萌加さんのインタビューをお届けします。
IEPの活動内容について

一言でいうと、関西外大生と海外の学生がオンライン上で交流するプログラムです。
コロナ禍で実現が難しい海外留学生との交流の機会を、オンラインを通じて作っています。

私が所属する「 Spanish Learning Team 」を含む、以下の6つのチームでIEPは運営されています。
- Project & Outreach Team
- Language & Culture Communication Team
- Spanish Learning Team
- Chinese Learning Team
- Kansai Gaidai College Team
- Broadcasting Team
※2021年秋学期実績
尊敬する先輩の存在が IEP参加のきっかけに

IEPがスタートしたのは、私が2年次だった昨年(2020)のこと。
尊敬するスペイン語学科の先輩が Spanish Learning のチームリーダーをやっており、参加を勧められたんです。
でも、そのときはお断りしました。

どうしても自分の語学力に自信を持つことができず、参加に踏み切れなくて…。
声をかけてくれた先輩がイベロアメリカリベラルアーツ留学の選考試験にも合格するような優秀な方だっただけに、よけいに「私なんかで大丈夫かな」と気後れしていました 。
そんな私が3年次からチームリーダーとしてIEPに参加したきっかけは・・・
- 「IEPを運営してみない?」と先輩が再度声をかけてくれた
- 単純にスペイン語の向上につながる
- 語学に対してしっかりと勉強してきた自負はあったので、そうした自分の経験は他の学生のサポートに活かせるのではと思った
- リーダーシップなどのスキルも向上させ、憧れの先輩のようになりたいと思った
といったことが主な理由でした。
ちなみに、髙木さんが尊敬するスペイン語学科の先輩というのがコチラの渡辺隆太郎さん。
先輩の再三の後押しもあってIEPに参加したわけですが、
実際に入ってみて、まさに私のように「語学力に自信がなくて参加に躊躇している」学生たちが参加しやすいようなイベントの企画、サポート体制の構築について運営チームがいろいろと企画をねっていることを実感。

こんなに手厚く、親身になって考えてくれていたんだとわかって、昨年から参加しておけばよかったと思いました(笑)
スペイン語で日本の文化を発信。現地WEBメディアへの掲載も!?

これまでに企画したイベントのなかでもっとも印象に残っているのは、「スペイン語での文章の書き方講座」というイベントです。

この企画ではアルゼンチン出身のWebライターの方とコラボさせていただきました。
「スペイン語での文章の書き方講座」 の概要
- 「日本の文化」をテーマに、スペイン語の記事(300語程度)作成に取り組む
- 講師はアルゼンチンのWebライター
- 1チーム3~4名で、そこにSpanish Learningチームに在籍するスペイン語圏の学生がチームリーダとして参加(全4チーム)
- 制作期間は2週間
- 最後に各チームがプレゼンを行い、優秀作品は講師がアルゼンチンで運営するWebサイトに掲載
講師はアルゼンチンのWebライター

講師を務めてくださったのは、アルゼンチン在住のWebライターのラウタロ・ミゲルさん(左側)。
IEPに参加するコルドバ大学(アルゼンチン)とモンテレイ工科大学(メキシコ)の学生たちがチームリーダーを担当してくれました。
学科で取り組む機会の少ない長文作成にチャレンジし、そのなかで文章力を磨き、語彙力を増やしてもらいたいというのがイベントの目的のひとつ。
オンラインでのイベント後は、各班がチームリーダーの添削指導のもと記事をブラッシュアップしました。

チームリーダーである海外の学生とのやりとりも参加学生のみなさんに直接やっていただき、そのなかで語学力やコミュニケーション能力を育んでもらえればと考えました。
完成した記事はアルゼンチンのWEBサイトに掲載
4チームが作成した記事は以下の通りです。
- ¡Gacha tiene muchos sueños! (ガチャガチャにはたくさんの夢が詰まっている!)
- “El día de CERO de BASURA” La cultura japonesa de limpieza. (ごみゼロの日:日本の美化活動について)
- ¿Quieres la galleta más dura de Japón? (日本一固いクッキーはいかが?)
- Fiesta budista de los difuntos en Japón (お盆:日本での霊を祀る仏教行事)
当初はイベント内で選出される最優秀記事が、講師のミゲルさんが運営するアルゼンチンのWEBメディアにアップされる予定でしたが、どの記事も高評価を得て最終的にすべてが掲載されることに。
実際の記事は、以下から読むことができます。
参加学生たちの喜びの声がリーダーとしてのやりがいに
「テーマに即して、スペイン語で長文を書く」という難易度の高いイベントだっただけに、当初は参加者が集まるか不安がありました。
実際には普段より多くの人が集まり、1年生から4年生まで幅広く学生が参加。

入学間もない1年生の方が参加してくれたのが特にうれしかったです。
習ってないことも多いので不安もあったと思いますが、同じグループの上級生や留学生が積極的にアドバイスをしてくれたみたいで、「すごくためになりました」と喜んでくれていました。
上記以外にも参加者から、
「文章力が向上し、とても役立った」
「もっと早くに、IEPのイベントに参加しておけばよかった 」
「語学力やコミュニケーション能力なども育まれた」
といった多くの喜びの声をもらい、チームリーダーとしてやりがいを感じるとともに達成感も大きかったです。
この「文章の書き方講座」に限らず、私がイベントを企画・運営する上で心がけているのは、特に語学力に自信のない学生に「安心してイベントに参加してもらえる環境」をつくること。
例えば、事前にイベントの概要を記した資料を作成するととに、プラスしてイベント時に出てきそうなスペイン語のフレーズを記載したり、英語圏の留学生が参加するイベントでは英語に翻訳した資料をつっくたり、「参加者の不安」を少しでも軽減できるように工夫しています。

私自身が語学力が心配で最初の一歩が踏み出せなかっただけに、極力そうした不安を取り除き、フォローできる環境を整えていければと思っています。
オンライン国際交流を実践するなかで成長できたこと

IEPに参加して語学力とリーダーシップが身についたと思います。
現在、私たちが運営しているSpanish Learningチームは、
- メキシコ人留学生3名
- 日本人(外大生)4名
で構成されており、前学期から継続しているチームリーダーが私だけだったので、全体のまとめ役も務めています。
週に1回、チームリーダー・ミーティングがあり、その際には議題のまとめ役に。
私にとって影響が大きかったのが、これまでチーム全体を引っ張ってくださっていた渡辺先輩が抜けたことです。

会議はすべてスペイン語で行われます。
これまでは渡辺先輩に70%くらい頼っており、先輩が抜け、その重役が私に回ってきた感じでした。
必然的に発話する機会も増え、会議中の大変さは増えましたが、その分だけ語学力も向上。
ただ、最初の頃はなかなか思うように会議を進行できないこともありました。
実は学科の授業で行われる短時間のグループワークではうまく全体をまとめられていましたが、1時間近くあるオンライン・ミーティングでは、
- 話が飛んでしまう
- 円滑に司会ができていない
といったことも度々ありました。

対策として、「今日はこういう話をしよう」と事前に何回もシミュレーションし、本番ではみんなの意見も聞きつつ、議題の軸をぶらさないよう会議を進行。
そうした体験を繰り返すなかで、リーダーシップも少しずつ育まれてきたように思います。
語学力に関しては着実にステップアップしていますが、まだネイティブのようにペラペラに話せるというわけでありません。
ミーティング中に言葉に詰まるといったこともあり、そんなときはメキシコ人の学生が助け舟を出してくれるなど、周りのメンバーが支えてくれる楽しい雰囲気のなか運営を進められています。
IEPを通して日本の魅力を発信したい

日本の文化が好きで、IEPの活動を通じてその魅力を世界に向かって発信していきたいと考えています。
その集大成的なイベントとして、 日本の企業とコラボレーションした企画を実現したいですね。

例えば、伝統や文化、おもてなしなど、日本のホテルや旅館の企業の方が「世界に向けて伝えたいこと」を私たちのチームでスペイン語に翻訳し、画像や動画などと合わせ、日本の魅力を 発信する――。そんなイベントができればと考えています。
現在は、次回行われる「メキシコの文化をスペイン語で伝えてもらう」イベントの企画を進めているところ。
具体的には、9月16日のメキシコの独立記念日の話について、留学生にお話いただく予定です。
- 日本人はメキシコ独立記念日のことはあまり知らない
- 一方で、メキシコ人にとってはとても大切な日
こうした日本人とメキシコ人の意識の違いを軸に、メキシコ独立記念日をテーマにその歴史や文化に迫れればと考えています。
さいごに

スペイン語の語学力に自信がなく、IEPに対しハードルが高くなってしまい、2年次は参加できずにいた髙木さん。
自身が 「もっと早くから参加していればよかった」と痛感しただけに、

「海外の人と交流したい」「語学力を上げたい」 という方にはぜひ参加してもらいたいです!
と、IEP未参加の学生たちにメッセージを送ってくれました。
とはいえ、ご本人がそうだったように「大丈夫かな?」と不安に思う人も少なくないでしょう。
「そうした人が安心して参加していただけるような企画をチームリーダー全員で考えています」と最後に力強く語ってくました。

最初の一歩を踏み出していただければ、私たちが精いっぱいサポートします!
いっしょに留学生や外大生との交流を楽しみましょう。