留学生が高野山(和歌山)で精進料理を体験!? 奥之院、金剛峯寺などで異文化に触れる

関西外大の学生たちの引率のもと、本学に留学中の外国人留学生約25人が高野山フィールドトリップに参加しました。

現地では、

  • 根本大塔・金剛峯寺・大門への観光
  • 現地で日本の仏教(真言宗)について学ぶ
  • 精進料理

などを体験。

世界遺産に認定され、真言宗の総本山でもある高野山を満喫しました。


この記事では、その様子をレポートします!

高野山の歴史、アクセス

▲ 高野山の二大聖地のひとつ「壇上伽藍」の境内にある根本大塔。

最初に、高野山について簡単にご紹介しておきます。

正式には「高野山真言宗 総本山金剛峯寺」といい、同地を嵯峨天皇から下賜された空海(弘法大師)が、修禅の道場として開いた日本仏教の聖地の一つです。


高野山までのアクセスは、南海高野線「極楽橋」駅で下車し、そこから高野山に続く南海高野山ケーブルに乗り換え、「高野山」駅からはバス移動に。

なんば駅から電車移動約2時間の行程となります。


なお、フィールドトリップまでに基本的な知識を身につけてもらおうと、学生が主体となって事前説明会を開催しました。

▲ 事前説明会の様子。クイズ形式で、参加者との交流を深めながら高野山の基礎知識について学びました。

具体的には、

  • 高野山は誰が開いたのか
  • 「高野山」は山の名前なのか
  • 当日、訪問する場所の紹介

といったことをKahoot!(=教育用ゲームのプラットフォーム)というアプリを使ってクイズ形式で紹介。

楽しく交流しながら、高野山について学びました。

高野山に関する豆知識

高野山は地理学上の「山」ではなく、高野山全域が寺の境内地とされ、境内の中に発展した町であり、「高野山」全体と高野山真言宗 総本山の寺院「金剛峯寺」は同義とされています。

フィールドトリップは学生たちが企画・運営

▲ 高野山フィールドトリップに参加した「Link-環-」のメンバー

今回の高野山フィールドトリップは関西外大の学生たちが主体的に取り組み、手がけたのは留学生との交流イベントなどを主に企画・運営する学生団体Link-環-

同グループの学生6名と一般参加の外大生20人、そして留学生25人を合わせた約50名で高野山をめざしました。


この記事では、当日の引率を担当した宮本尚來くん(外国語学部 英米語学科4年)と千代陽菜さん(外国語学部 英米語学科4年)にイベントの詳細について紹介してもらいます。

宮本くん
宮本くん

よろしくお願いします! 高野山フィールドトリップは多くの外大生、留学生に参加いただき、大いに盛り上がりました。

千代さん
千代さん

当日はあいくにくの雨模様でしたが、高野山を満喫でき、留学生の皆さんにも楽しんでいただけたと思います。


そして、参加した留学生を代表して、以下の三人にも感想などを伺いしました。

▲ 左からエリザベスさん、フィオナさん、アンドレスさん


お名前、出身地は以下の通りで、

  • Elizabeth Mikewort(エリザベスさん)アメリカ出身
  • Fiona FitzPatrick(フィオナさん)アメリカ出身
  • Andrés Romero Rangel(アンドレスさん)メキシコ出身

それぞれ「初めての高野山」を満喫したようです。

高野山フィールドトリップ

▲ 南海電車「極楽橋駅」からケーブルカーに乗り換え、いざ高野山へ。

今回のフィールドトリップの目的地は高野山ですが、留学生にとっては電車で移動すること自体も貴重な「日本での体験」に。

関西外大の最寄駅となる京阪電車「枚方市駅」に集合し、

  • 京阪電車(京阪本線)
  • 市営地下鉄(御堂筋線)
  • 南海電車(南海高野線)⇒ 極楽橋駅からケーブルカー

と乗り継ぎ、移動中の街の様子や風景にも関心の目を向けていました。

宮本くん
宮本くん

なかでもケーブルカーの反響が大きく、初めて乗る人が多かったので、動き出すと「おー」と感激する声が上がっていました。

エリザベスさん
エリザベスさん

私もケーブルカーは初めてだったので、ワクワクしました! 乗車中に見える周りの風景も神秘的で、きれいでしたよ。

レストランで精進料理を体験

高野山には精進料理が楽しめるレストランが複数営業しており、その食事体験を楽しみにしている留学生も少なくありませんでした。


一行が入ったのは、奥之院の近くにあるレストラン楊柳

山菜やごまどうふ、高野豆腐といった山の幸を活かした当地ならではの精進料理を楽しみました。

フィオナさん
フィオナさん

仏教徒のためのヴィーガンフードと聞きましたが、美味しくなるように味付けなどが工夫されており、その点が素晴らしいと思いました。

エリザベスさん
エリザベスさん

私はベジタリアンですが、精進料理には欧米のベジタリアンフードにはない特徴があり、興味深かったです。


例えば、精進料理は「五法則」と呼ばれるものに基づいていて、食べ物には五つの色、味を含んでいて、五つの調理法を使って作られているそうで、実際に食べることができ貴重な体験となりました。

奥之院、壇上伽藍、金剛峯寺を観光

▲ 奥之院の入り口で記念撮影。

当日の高野山でのタイムスケジュールは、

高野山駅 ⇒ バス移動(約10分)⇒ 千手院橋付近にて昼食 ⇒ バス移動(約10分)+徒歩移動(約10分)⇒ 奥之院観光 ⇒ バス移動(約10分)⇒ 壇上伽藍・根本大塔・総本山金剛峯寺観光 ⇒ バス移動(約10分)⇒ 高野山駅

といった感じで、約5時間半の滞在となりました。


中でも、観光のハイライトとなったのが奥之院で、印象に残ったと語る留学生が多かったと言います。

奥之院とは

壇上伽藍とともに高野山の信仰の中心であり、弘法大師が入定(にゅうじょう)されている聖地です。一の橋から御廟まで約2キロメートルの参道には、おおよそ20万基を超える諸大名の墓石や、祈念碑、慰霊碑の数々が、樹齢千年に及ぶ杉木立の中に立ち並んでいます。

出典:和歌山県公式観光サイト

高野山の中でも最も神聖な場所の一つといわれており、それまで楽しそうに話していた参加者たちも自然と静かになり、真剣に見学する姿が印象的でした。


エリザベスさん
エリザベスさん

奥之院は周囲がそびえ立つ木々に囲まれ、数多くの墓石、記念碑、苔むした石があり、当日の雨がより神秘的な雰囲気を作り出していました。また、参道沿い設置されていた数多くの地蔵菩薩も興味深かったです。

アンドレスくん
アンドレスくん

これまでに見た中で、奥之院はもっとも美しく荘厳な墓地だと感じました。灯篭に灯された明かりもきれいでしたね。

▲ エリザベスさんが「興味深かった」と関心を示した奥之院の中に点在するお地蔵様。
▲ 当日はあいにくの雨模様でしたが、その演出が「高野山の神秘性を高めた」という感想を話す留学生も少なくありませんでした。
千代さん
千代さん

奥之院では御朱印もいただきました!

アンドレスくん
アンドレスくん

漢字が美しいですね。いいお土産になりました。


奥之院に続いて一行が訪れたのは、こちらも高野山観光のハイライトのひとつ壇上伽藍と金剛峯寺。

「奥之院」と「壇上伽藍」は二大聖地といわれており、その二箇所と中心地である金剛峯寺を回るのが、初めて高野山を訪れる人のポピュラーな観光コースになっています。

壇上伽藍では、高野山全体の総本堂である「金堂」や高野山のシンボルともいえる高さ約50mの「根本大塔」(下の画像参照)を見学。写真で見るよりも何倍も迫力がある実際の建物に姿に、参加者は興味津々な様子でした。

▲ 壇上伽藍にある根本大塔の前で記念撮影。
フィオナさん
フィオナさん

壇上伽藍にあった各建物も、金剛峯寺もとても美しかったです。雨と空気の冷たさという天候条件が、より一層美しさを引き立てていると感じました。

参加者(留学生)の感想

千代さん
千代さん

今回の高野山のフィールドトリップに参加しようと思ったきっかけは?

エリザベスさん
エリザベスさん

台湾の友だちに高野山のことを教えてもらい、深い歴史と美しい自然に感銘を受け、留学期間中に訪れてみたいと考えていました。そんな時に、今回のイベントの存在を知り、「みんなと一緒に行った方が楽しそう!」と思い参加しました。

アンドレスくん
アンドレスくん

大学での学びだけではなく、日本のいろいろなところに旅行に出かけ、日本についてもっと知りたいと思い、高野山のフィールドトリップに申し込みました。

フィオナさん
フィオナさん

関西外大のイベントにこれまで参加したことがなかったので、一度チャレンジしてみようと思ったのと、新しく友だちもできるかなと思い参加を決めました。

宮本くん
宮本くん

実際に、参加してみて交友関係は広がりましたか?

エリザベスさん
エリザベスさん

「一人で行くよりみんなと一緒に」と思って参加しましたが、実際にその通りで、喜びや楽しさを多くの人と共感することができてうれしかったです。

アンドレスくん
アンドレスくん

当日出会った新しい友だちがたくさんできました。訪問する先々で、日本人の学生が解説をしてくれたり、サポートをしてくれたりしたので助かりましたし、それぞれの体験が新鮮で楽しかったです。

フィオナさん
フィオナさん

お二人と同じで、たくさんの人に出会えて、とても楽しい時間になりました。


▲ フィールドトリップは「出会いの場」にもなり、そこから参加者同士の新しい交流が数多く生まれました。
千代さん
千代さん

今後、もし参加するとしたらどういったフィールドトリップに興味がありますか?

エリザベスさん
エリザベスさん

知名度がそれほど高くなく、留学生だけでは行きづらいような場所を企画いただけるとうれしいです。今回は山内のバス移動を含め、交通機関の乗り換えなども多かったので、Linkの皆さんのサポートはとても助かりました。

アンドレスくん
アンドレスくん

高野山のような「日本の素晴らしい場所」をもっとたくさん訪れたいです。歴史的な場所はもちろん、USJにも行ってみたいですね。新しい場所、そして新しい人々との出会いをこれからも楽しみにしています。

フィオナさん
フィオナさん

京都に行きたいです。伏見稲荷が大好きで、実は一度訪れたことがあるのですが、再訪して歴史や文化のことなど、もっと深く知ることができればと思います。

さいごに

▲ 電車移動も留学生たちにとっては「生きた日本の文化・社会」を知る貴重な体験に。

この記事では、関西外大の学生団体「Link」が企画・運営する、外国人留学生を交えた高野山フィールドトリップの様子をご紹介しました。

現地での観光はもちろん、さまざまな学生との出会い、交流が参加者にとって貴重な機会となったようです。

千代さん
千代さん

お天気が心配でしたが「雨の高野山」の評判も上々で、留学生の皆さんの満足度も高かったようで安心しました。

宮本くん
宮本くん

留学生の要望などを参考にしつつ、次回以降も魅力的なフィールドトリップを企画できればと思います。ご期待ください!

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