英語関連の資格というと、みなさんはどういった試験を思い浮かべるでしょうか?
代表的なものとして、
- 英検
- TOEIC
- TOEFL iBT
などがあり、いずれも認知度は高いテストです。
では、IELTS(アイエルツ)はご存じでしょうか?
英語熟練度を測る英語検定の1つで、海外への留学を考えている学生を中心に、近年注目を集めているテストです。
関西外大では、同試験を受け、スコアアップを果たした学生によるオンライン講座「未来に繋がるIELTS」を開催。
同講座のお話を軸に、 IELTS(アイエルツ)の中身や対策、受験料などについて詳しく解説します。
詳しくは、下記の項目について主にご紹介します。
- IELTS(アイエルツ)の概要
- IELTS(アイエルツ)の重要性
- IELTS(アイエルツ)の申し込み方法
- IELTS(アイエルツ)の対策・勉強方法
- IELTS(アイエルツ)のメリット・デメリット
- 関西外大の受験料補助
※クリックすると該当記事に飛びます。
*インタビュー内容は取材時のものになります。
IELTS(アイエルツ)とは
IELTS( International English Language Testing System:アイエルツ)は、イギリスで開発された英語4技能テストです。
- ブリティッシュ・カウンシル
- IDP Education: IELTS オーストラリア
- ケンブリッジ大学ESOL
が共同運営しており、世界120カ国で受験することが可能で、欧州や英連邦の国々では特に知名度の高い試験です。
IELTS(アイエルツ)のテストの概要
IELTS(アイエルツ)のテストの概要はこちら。
- Listening、Reading、Writing、Speakingのすべてを測る
- アカデミックとジェネラル・トレーニングの2種類
- 0~9.0の0.5刻みの点数
- オンライン版とペーパー版の2種類
テストタイプは「アカデミック」と「ジェネラル・トレーニング」の2種類あり、
- 英語圏への留学など学業に利用するために取得する「アカデミック」
- 就職や移住のための「ジェネラル・トレーニング」
という棲み分けがされています。
留学に必要なのは「アカデミック」で、大学の講義、学術論文、専門家の講演といった場面を想定した設問が多く出題されます。
IELTS(アイエルツ)のバンドスコア
IELTS(アイエルツ)のスコアは、0(試験放棄)から9(エキスパートユーザー)まで0.5点刻みの点数で表示されます。
留学に際しては、「IELTS何点以上」といった感じで受け入れのラインが明示されますので、特定の大学への留学を希望されている人は目標を設定し、合格をめざしましょう。
留学準備イベント IELTS対策講座「未来に繋がるIELTS」
今回のイベントのスピーカーを務めてくれたのが、英米語学科の海邊さん。
プロフィールはこちら。
学生プロフィール
- 海邊 勇樹(うみべ ゆうき)さん
- 外国語学部英米語学科3年
- 1年次Super IESアラバマ大学プログラム受講
よろしくお願いします!
IELTS(アイエルツ)を受験した理由
- 関西外大の留学資格審査のため(英語力の証明が必要だった)
- イギリスで国際関係学を学びたかった
イギリスの大学に留学をするにはIELTS(アイエルツ)のスコアが必須となります。
特に私が留学を志望していたリーズ大学で国際関係学を学ぶためには、より高い点数が必要だったので、スコアアップをめざして勉強に取り組みました。
海邊さんの事例からもわかるように、IELTS(アイエルツ)は、イギリスを中心としたヨーロッパの国々では特に知名度の高い試験です。
IELTS(アイエルツ)の重要性について
IELTS(アイエルツ)は、世界中の1万以上の機関から英語能力を証明するテストとして認められています。
特に、
- イギリス
- オーストラリア
- カナダ
- ニュージーランド
の4つの国での認知度は高く、大学や企業、政府機関からも認められています。
日本では英検やTOEICがメジャーですが、英検は日本以外ではあまり使えません。
その意味では、特に留学を考えている学生にとって、IELTS(アイエルツ)のスコア取得はメリットが大きいです。
また、TOEFL、TOEIC、英検と同様、国家公務員採用総合職試験において、取得したスコアを活用することもできます。
海外での需要はもとより、このように日本でも団体受験を受ける教育機関や団体が増えてきており、IELTS(アイエルツ)の重要性は高まってきています。
IELTS(アイエルツ)の申し込み方法
日本でIELTS(アイエルツ)の運営・実施をしているのは、IELTSの公式テストセンターです。
IELTS公式テストセンターとして、日本では以下の二団体が活動しています。
- 公益財団法人日本英語検定協会
- 一般財団法人日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)
日本英語検定協会の方がテスト会場が多く、日本スタディ・アブロード・ファンデーション(JSAF)は、コンピューター形式のテストがあります。
どちらの団体経由で受けてもテスト内容自体に変わりはありません。
ただ、テスト日程や会場、テスト申し込み締切日が違うので、その点は気をつけましょう。
またテスト形式として、
- コンピュータ版「IELTS」
- ペーパー版「IELTS」
の2種類の試験方法があり、それぞれIELTSの公式サイトから申し込むことができます。
画像付きで、申し込みの手順をご紹介します(公益財団法人日本英語検定協会のサイトで、「個人受験」をコンピュータ版「IELTS」で申し込むケース)。
下の画像は、IELTS(アイエルツ)公式サイトのトップページです。
まずは、グローバルメニューにある「IELTS コンピュータ版」のボタン(上の画像の赤枠)をクリック/タップしましょう。
押すと、下の画面が出てきます。
画面中央の「今すぐ申し込む」、画面右側に「お申し込みはこちら」が出てきます。
(それぞれ赤枠で囲んでいるところ)
いずれのバナーを押しても、以下の画面に切り替わります。
上の画像のように英語表記で出てくるので、日本語で読みたい人は表示を切り替えてください(chromeというブラウザを利用していると、簡単に「日本語/英語」各表記を切り替えられます。
以下の各テストに申し込むバナーが出てきているので、
- IELTS Academic
- IELTS General Training
- IELTS for UK Visas
留学のために試験を受ける場合、「IELTS Academic」のバナーをクリック/タップします。
押すと、「国/地域」を選択する画面が出てきます。
「東京」か「大阪・梅田」どちらかを選択でき、都市を選ぶと受験可能な日程がカレンダー上に出てきます。
テストを受けたい日にちをクリック/タップしましょう。
クリック/タップすると、以下の画面が出てきます。
その日のテストの詳細(内容と時間)が出てきて、「Book for 25,380 JPY」を押すと、申し込み画面に遷移します。
遷移先のページで、アカウントを制作します。
アカウントの作成には、
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- メールアドレス
などを記載する必要があります。
アカウントができると、登録したメールアドレスに支払方法が届きます。
※2022年11月現在、IELTSの支払い方法はクレジットカードのみとなっています。
申し込み方法の詳細については公式サイトにも手順が書かれていますので、よろしければそちらもご参照ください。
申込の手順を詳しく解説 >>IELTS お申し込みマニュアル
IELTS(アイエルツ)の体験談(点数の変化)
海邊さんは、IELTS(アイエルツ)の試験を合計で6回受験したそうです。
最初に受けたのが2020年10月で、最後にチャレンジしたのが2021年の4月。
最初の点数はIELTSの日本人の平均スコアとほぼ同じ。
その点数だと志望する留学先の要件を満たさなかったので、複数回受験しました。
その1回目と最後に受けた6回目のスコアがこちら。
listeningをはじめ、Writing以外は各スコアを1以上アップさせ、留学に必要な基準をクリア。
半年で成績を大きく上げました。
受験して気づいたことや、勉強のポイントは以降の断章で詳しく解説させていただきます!
IELTS(アイエルツ)の対策・勉強方法
ここからは、IELTS(アイエルツ)の対策・勉強法についてご紹介します。
いろいろな取り組みがあると思いますが、ここでは海邊くんの成功体験に基づく、ご自身が実際に行った対策・勉強についてお話します。
関西外大の日々の授業がIELTS対策に
ライティング、スピーキングの勉強法ついては、関西外大の英語開講科目を受講することが直接的に試験対策になったといいます。
関西外大の授業は、語学としての英語を学ぶのではなく、英語「で」専門科目を学ぶ授業を多数開講しています。
教員による一方的な講義ではなく、教員と学生、学生と学生といった双方向にコミュニケーションを取る授業が多いのも特徴で、その中で、
- 学生が積極的にディスカッションに参加したり
- 課題としてエッセイを提出したり
といった実践的な取り組みを通じて英語力を育んだという海邊さん。
これらの学びのすべてが、ライティングの試験の形式になれることにもつながりました。
それと同時に、スピーキングテストで求められるアドリブ力も養うことができたと思います。
普段から英語で考える癖をつける
2つ目に海邊さんがあげてくれたのが、普段から英語で考えるクセをつけるということ。
- 日常生活で思いついたことを英語にする
- その思いついたことを意味の通った英語の文章にする
このトレーニングによって、苦手なポイントやわからない表現も理解できるようになります!
この勉強法のいいところは、普段の生活の中で、いつでも、どこでもできるところ。
IELTS(アイエルツ)の「スピーキング」では時々答えるのに難しい質問も出るので、英語で考える癖をつけるは非常に有効です。
自分の意見を理論立てて話せるようにする
英語の文章を書いたり、人とコミュニケーションを取る際には、単に英語の単語や慣用句をたくさん知っているだけでは完全といえません。
例えば、IELTS(アイエルツ)の「ライティング」ではYESかNOを選ぶ議題を出されて、それに対しての意見、その意見をサポートするための理由などを求められます。
こうした設問に対し、一貫性をもって理論立てて説明できるようになるためには、日ごろから話す内容を意識し、論理的に組み立てる練習が有効です。
IELTS(アイエルツ)のwritingとspeaking対策
ライティング、スピーキングに対策として意識すべきは、論理的に話を構成するということ。
といっても難しいと思いますが、エッセイの構成を意識的に取り入れることで、論理的な文章や会話を作成できるようになります。
- 導入部分で「エッセイの題」、そして自分の主張を簡単に述べる
- 本論では、自分の出した議題の主なトピックや、実際に起きた例などを述べて、自分の主張をサポートする
- 結論では、自分の出した主張のまとめ。そして、自分の意見をあらためていう
これを文章作成はもちろん、会話の構文を考える際にも応用できます。
実際にこの書き方で私はスコアが伸びたので、よければ参考にしてみてください。
listeningとreadingの勉強方法と点数の取り方
IELTS(アイエルツ)の運営団体のひとつであるブリティッシュカウンシル公式の練習問題に取り組んだという海邊さん。
練習問題はIELTS公式サイトからアクセス可能で、オンラインで気軽に誰でも受講できます。
本番とほとんど同じ画面でテストを受けられるので、IELTS(アイエルツ)のテスト形式に慣れることができます。
先に出題形式に慣れておくことで、本番のストレスを最小限に減らすことができますよ!
また、YouTubeに「The IELTS Listening Test」という動画を視聴することもリスニングの勉強には有効です。
YouTube動画:「The IELTS Listening Test」
模範解答も含めたリスニングの練習問題の動画を視聴することができ、IELTS(アイエルツ)の試験対策としてとてもよい練習になります。
聞きながら問題を解くことでリスニング能力向上につながります!
その他の勉強方
普段から英語を読んだり聞いたりする機会を作ることも有効です。
海邊さんが具体的に取り組んだのは、
- インターネットで海外のBBCニュースを読む
- 興味のあるゲームの英語の実況動画を見る
などで、どんなささいなことでもよいので、日々の中で英語に触れるという機会をつくることが大切だといいます。
机に向かって勉強する時間だけではなく、移動中や家でゆっくりしている時間なども、英語に触れる機会はたくさんあるということです。
とにかく、どんなささいなことでも日々の習慣が英語の4技能の向上につながります。
海邊さんのアドバイスの中からいいな!と思うことがあれば、ぜひ実践してみてください。
IELTS(アイエルツ)のメリット
海邊さんがIELTS(アイエルツ)を受けて感じたメリットは、上の図にもありますが、
- 気軽に何度でもチャレンジできる(インターネットで簡単予約)
- 自分の英語力が直接スコアに表れる
- 受験会場が快適でストレスなくテストを受けられる
といったことです。
2つ目の「自分の英語力が直接スコアに表れる」というのは、日常的な英会話のスキルなど、普段の英語力がそのままテストの結果に反映されるということです。
つまり、英検やTOEICなどの場合、各試験に向けた対策が一定数必要ですが、IELTS(アイエルツ)の場合そうした個別の対策は必要なく、日頃の英語学習がスコアアップにつながります。
スピーキングやライティングをはじめ、関西外大での日々の英語学習がそのままテスト対策にもなっている感じです!
3つ目の会場については、海邊さんは大阪・梅田にある「三共梅田ビル」で受験。
地図はコチラです(大阪府大阪市北区堂山町1-2 三共梅田ビル 4階)。
梅田駅から徒歩圏内という立地。
実際の試験会場となる室内はこんな感じです。
↓ ↓ ↓ ↓
画像出典:IELTS
左のPCが並んでいる部屋でlistening、reading、Writingを終えたあと、右の部屋で英語ネイティブスピーカーによるスピーキングの試験があります。
会場はとてもきれいで、スタッフの方も親切で、ストレスの少ない環境で集中して試験を受けることができました。
IELTS(アイエルツ)のデメリット
留学の入学許可の証明などにおいての重度が高く、受験するメリットが多いIELTS(アイエルツ)ですが、あえてデメリットを上げるとすると受験料の高さがあるかもしれません。
IELTSの受験料は以下のとおりです。
1回25,380円という受験料は安くはありません。
TOEICなどに比べて費用は高めの設定ですので、受験料の高さがIELTS(アイエルツ)デメリットと言えないこともないでしょう。
ただし、TOEFL iBTも1回$235(約25,000円)なので、英語能力を証明する世界基準の試験としては妥当な価格設定ということもできます。
関西外大には、英語能力試験受験料補助の制度もあるので、学生のみなさんはぜひ活用しましょう。
関西外大の「英語能力試験受験料補助」については、次の章段で詳しくご紹介します!
IELTSを無料で!関西外大の「英語能力試験受験料補助」
英語能力試験受験料補助を利用すると、IELTS(アイエルツ)の受験料25,380円が全額補助されます。
概要は以下ののとおりです。
2021年度に募集する対象留学プログラムの「留学資格審査通過者」、「留学選考試験合格者」のうち、本学が指定する学外の英語能力試験に於いて基準を満たしたスコアレポートを提出した学生に対し、受験料の補助を行います。(注意:2022年度以降の受験料補助は未定です)
詳細については、コチラをご確認ください。
- 対象留学プログラム
大学・大学院学位留学、ダブル・ディグリー留学、2カ国留学、専門留学、リベラルアーツ留学 - 対象者
上記対象留学プログラムの「留学資格審査通過者」及び「留学選考試験合格者」 - 補助対象検定試験、基準スコア
Overall6.0 かつ各セクション6.0以 - その他条件
本学入学後に受験し、かつ所定の審査・選考の提出期限内に出された有効なスコア(受験後2年以内)に限る。受験料補助は、在学中、各試験につき1回に限る。 - 補助金受給手続き
補助金受給対象者に対し手続方法の案内をします。候補生発表後、スコアレポートのコピー提出が必要となりますので、原本は手元に保管しておいてください。
同様にTOEFL iBTの補助(総合点80点以上、補助金額25,380円)もあるので、対象者の学生さんぜひご活用ください!
まずは一度トライしてもらいたいので、受験料補助を使って実際にIELTS(アイエルツ)を体感してみてください!
さいごに
この記事では、IELTS(アイエルツ)の中身や対策、受験料などについて解説しました。
また、同試験を複数回受験した本学の在学生海邊さん(外国語学部英米語学科2年)によるオンラインイベント「未来に繋がるIELTS」の内容を軸に、
IELTS(アイエルツ)の
- 受験対策
- 受験の体験談
- 重要性
- 申し込み方法
- 英語の勉強法
- メリット/デメリット
といったことについてお話しました。
留学を考えている人は受験して損はない試験ですので、ぜひトライしてみてください!