CAをめざして入学した関西外大でマーケティングと出会い、留学体験を経て外資製薬会社へ。4年間の経験が今に活きている

国立大学の国際系の学部に合格するも、憧れだったCA(客室乗務員)の採用に高い実績のあった関西外大に進学した大串さん。その他、手厚い奨学金、充実した留学プログラムなどにもひかれたという。

在学中にそれらの制度をフル活用し、現在は外資の大手製薬会社アストラゼネカ株式会社で働いている。


そんな大串さんの学生時代や留学などを通じてのキャリア形成の変遷、そして現在のお仕事のお話について伺いました。

※内容は取材時(2025年3月)のものになります。

卒業生プロフィール

プロフィール

  • 大串 有里枝さん(外国語学部 英米語学科2024年3月卒業)
  • 長崎県立長崎北陽台高等学校出身
  • アストラゼネカ株式会社勤務

外資製薬会社のMRとして活躍

大串さんは現在、アストラゼネカ株式会社に勤務し、MR(医薬情報担当者)として働いている。

MR(Medical Representative)とは

医薬情報担当者の略称で、自社医薬品の適正使用ならびに薬物療法の向上に貢献するために、医薬品の品質・有効性・安全性等の情報を扱う医薬品情報の専門家です。専門家として業務を行える知識と資質を認められたMR認定証を保持しています。その多くは製薬企業の営業部門に所属し、一部は人材派遣会社に所属し、その業務を行っている人もいます。

出典:MRとは|MR認定センター


簡単にいうと、医薬品に関する営業職で、担当地域の医師や薬剤師などに、自社製品に関する情報提供・収集を主に担当。

大串さんはMRとして、自社製品の処方提案や品質・有効性・安全性の情報収集を通じ、適正使用の推進を行っている。

大串さん
大串さん

MRの社会的使命は、医薬品の適正使用を推進し、医療に貢献することです。


その実現のためにMRは、科学的根拠に基づいた医薬品情報を医療関係者に提供し、使用された医薬品の情報を収集して企業に報告するとともに、集積した情報について企業が解析した結果を医療関係者に伝達する活動を行っています。

MRという仕事のやりがいについて

仕事をするうえで大串さんが普段から心がけていることは、「患者さんのためになるご提案をする」こと。

MRは一般的な営業職とは違い、生命や健康にかかわる医薬品を取り扱うので、売り上げなどの目先の数字を追うのではなく、「本当にそのお薬が患者さんのためであるのか」を最優先に考え、「患者さんに役立つ情報を先生方にご提案すること」を最も大切にしている。

大串さん
大串さん

医師や医療従事者に正確で最新の医薬品情報を提供し続けることで、患者さんの治療に貢献することができます。

新薬の発売や治療法の改善に携わることができるため、自分の仕事が患者さんの健康や人生に直接的に貢献しているという実感を得られます。


実際に、医療従事者の方から、患者さんが元気になった報告を受けたり、家族の方から「介助のサポートが楽になった」といったお話を伺ったりするなかで、患者さん本人はもちろん、ご家族にも貢献できていることを実感できたときが、仕事のやりがいを感じる瞬間だという。

また、自身の成長を促す機会が多いのも特徴だ。

大串さん
大串さん

MRは新しい薬や治療法に関して学ぶ機会が多く、医療業界の最新トレンドに触れることができます。

さらに、業務の中で問題解決能力やコミュニケーションスキル、交渉力を高めることができるため、日々の経験が成長につながるところも魅力です。

今の仕事につながる関西外大での学び

▲ 御殿山キャンパス・グローバルタウンで留学生たちと記念撮影

合格した国立大学と比較検討し、関西外国語大学に進学した大串さん。

決め手となったは、

  • 関西外国語大学グローバル人材育成特待生奨学金
  • 留学・国際交流に関する多彩で充実したプログラム

で、特に国際寮である「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」で寮生たちをサポートするRA(レジデント・アシスタント)としての経験と、約1年間のアメリカ留学が、卒業後の進路を含むキャリア形成に大きな影響を与えた。


それぞれどういった体験をされたのか以下で見ていきましょう。

関西外国語大学グローバル人材育成特待生奨学金

入試成績の優秀な学生を対象とした授業料全額免除(給付型)の奨学金「グローバル人材育成特待生奨学金」。

給付者には入試の合格通知とともに郵送で発表され、大串さんはその対象者となり、卒業するまでの4年間給付を受けた。

大串さん
大串さん

授業料が全額免除(給付)となるので経済的なメリットは大きかったです。グローバル人材育成特待生奨学金の対象となったことも、関西外大への入学を後押しするきっかけになりました。


関西外国語大学グローバル人材育成特待生奨学金の詳細については、以下の記事を参照ください。

国際寮「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」

▲ 「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」のRAとしても活動。写真はオープンキャンパス時のもの

関西外大の御殿山キャンパス・グローバルタウン内にある「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」。

関西外大の学生と、外国人留学生が共に生活をする学生寮ですが、本学では同施設を「教育施設」と位置づけ、異文化交流を深めるとともに、

  • 問題解決力
  • 自己管理力
  • チームワーク

といった社会人基礎力を養う拠点となっている。


※「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」の詳細については以下の記事を参照ください。


大串さんは2年次の1年間と、留学から帰国後の4年次からの1年間、「結」に入居した。

特に4年次からは、入居する学生たちをサポートするRA(レジデント・アシスタント)の活動にも取り組む。

RA(レジデント・アシスタント)とは

「結 -YUI-」では入居している学生をレジデントと呼び、留学生を含むレジデントの日々の生活をサポートするのがRA(レジデント・アシスタント)で、各フロアに複数のRAがいます。

約30名いるRAには「イベント」「SNS」などのセクションがあり、大串さんは全体をまとめる統括のポジションを担った。


▲ RAや留学生といっしょに「結 -YUI-」をバックに記念撮影(前列・右から2人目が大串さん)

例えば、

  • レジデントとRAの交流イベント
  • 留学生とのフィールドワーク(観光ツアー)
  • 季節ごとのイベント(流しそうめん、お月見 etc.)

をはじめとするさまざまなイベントを企画・運営するほか、留学生の受け入れ対応、広報活動など多方面から「結」の運用や学生のサポートに関わる。

各RAから上がってくる企画や意見を、事務局(大学職員)に説明し、両者の架け橋のような役割を担うのが統括の仕事となる。


▲「結」の恒例イベントの1つフィールドワークで、伊勢に行った際の一枚

「学生たちがやりたいこと」と「職員が求めているもの」が時にはリンクしないことがあり、そうした際に統括として両社の意見をくみ取ったうえで、折衝をする。

意見をまとめるの大は変だったが、粘り強く交渉を続けていくなかで、より良い落としどころを見つけ、イベントの企画や日々の活動内容の中身を決定していくという体験を通じ「物事を最後までやり遂げる力」が培われたという。

大串さん
大串さん

RAの業務を通じて身に付いた「折衝」や「完遂」するチカラは、社会人となった今も大いに役立っています。


例えば営業先の医師から自社製品に対して否定的な意見が出た際も、ご意見を受け入れつつ「患者さん目線で、こういう観点からご提案しています」といった感じで、こちらの意図や思いをより受け入れてもらいやすいよう角度を変えて交渉するなど、その素地はRA時代に育めました。

アメリカへの1年間の留学を体験

▲ 留学先大学のクラスメイトたちと

2年次の秋学期から約1年間の留学を体験した。

留学の概要はこちら。

  • 留学区分 交換留学
  • 留学先 フォートルイス大学 (アメリカ)
  • 留学期間 2022年1月~2022年12月


留学に際しては、関西外大の留学奨学金「フルスカラシップ」を活用した。

大串さん
大串さん

留学先大学の授業料に加え、住居費、食費がサポートされる手厚い奨学金です。受給するには審査に合格する必要がありますが、基準を満たせば全員が活用できるのも大きなポイントです!

留学先大学ではマーケティングを専攻

▲ 留学中お世話になったホストファミリーといっしょに

現地ではもともと関心があったサービスホスピタリティを学ぶとともに、マーケティングを専攻した。

1年次に経営学やマーケティングを学び、特に後者の授業で「同じ商品でもセールス方法によって売り上げに大きな差が出る」ことが面白いと感じ、それがマーケティングを専攻するきっかけに。留学先でその手法や実例を広く、深く学び、知れば知るほど興味が深まっていった。

大串さん
大串さん

学んだことを具体的にアウトプットしていく授業が多かったのも楽しかった理由の一つで、特に印象に残っているのが、地域の美容室を対象とした「SNSを活用した経営戦略プラン」を考える課題です。


4人1組の2チームに分かれて戦略を考え、プレゼンを行い、実際に採用してもらうというもので、実践的だっただけに学びもやりがいも大きかったです。




マーケティングに関する知見を広げた結果、もともと客室乗務員1本だった自身の進路に関する志向にも変化が出る。

化粧品メーカーのマーケティングの仕事に興味を持ち、深掘りしていくなかで

  • ヘルスケア業界
  • 消費財メーカー

などにも関心が広がり、最終的に製薬業界に進路を絞ることに。

最終的な決め手となったのが留学中にオンラインで参加したインターンシップだった。

大串さん
大串さん

特に製薬業界に特化したインターンシップに参加することで、業界についての理解が深まり、キャリアの方向性が明確になりました。


インターンシップ中に学んだ業界の知識や、実際の現場で得た経験が、製薬会社で働く意欲を一層高め、就職活動を成功に導く大きな助けとなりました。


なかでもアストラゼネカを選択したのは、同社の「サイエンスの限界に挑み、患者さんの人生を変える医薬品を届ける」という企業理念にひかれたから。

その理念のもと5つのバリューを設け、例えばそのなかの1つに「play to win」=「勝つために戦う」という言葉がある。

製薬業界のトップをめざして戦うということだが、単に利益を追求するということではなく、得られた利益を研究開発につぎ込み、結果として「患者さんにより良いお薬を届ける」という考えで、そのためにNo.1をめざす。

大串さん
大串さん

実際に新薬を開発するために毎年研究開発に莫大な投資をしているなど、チャレンジ精神が旺盛な会社だなと好印象を持ちました。


就職活動では「貢献」を軸に企業を探していましたが、理念に共感できたことが一番の決め手となりました。

国際交流サークルの副部長を担当

▲ 国際交流サークルの活動の1つとして書道イベントを開催。

留学期間中、課外活動として現地大学の国際交流サークルにも参加した。

活動内容としては、

  • お好み焼き&手巻き寿司パーティー
  • カラオケパーティー
  • たい焼きを作って販売(サンクスギビングデー)
  • おにぎりを作って販売(アメフト試合会場にて)

などに取り組み、副リーダーとしてイベントの企画・運営に携わった。

大串さん
大串さん

幹部ミーティングをはじめ、国籍が違うメンバーたちとやり取りをするなかで意見が分かれることもあったのですが、RAの時と同様それぞれの意見に耳を傾け、調整し、各企画を推進しました。


さまざまな問題を乗り越え、イベントを最後までやり遂げるたときの達成感は大きく、そのなかで「調整力」や「最後までやり遂げる」チカラを育むことができたと思います。

就職活動に役立った関西外大での学び

就職活動を振り返ってもらい、面接官の反応がよかったエピソードを聞いてみると、一番は「留学」だったという。

大串さんが参加したのは、現地で英語を学ぶ「語学留学」ではなく、英語「で」専門分野を学修する約1年間の交換留学だ。

その体験を通じ、英語力を磨くとともに、マーケティングを専攻することで同分野に興味を持ち、それが留学期間中のインターンシップの参加、就職内定へとつながっていった。

大串さん
大串さん

語学留学ではなく、英語はあくまでツールとして、現地学生と同じクラスでマーケティングなどを学んだことが評価されたように思います。

また留学中に課外活動として取り組んだ国際交流サークルやインターンシップの体験も高く評価いただき、その体験は社会人スキルの向上など私自身の成長にもつながりました。



留学体験とともにエントリーシートや面接時のPR材料になったのが、「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」でのRAの経験だ。

数百人規模の外国人留学生が入居し、日本人学生と共同生活を送る施設での活動は珍しいようで、面接官の受けもよかったという。

大串さん
大串さん

「最後までやり遂げる力」が身に付いたといいましたが、社会人となって仕事をするうえで、RAでの経験は本当に活かされていると実感します。


それと英語はツールといいましたが、4年間を通じて英語力を向上できたことも大きな財産になりました。今は仕事で使う機会はあまりありませんが、将来的に本社勤務となると英語が必要になってくるので、身に付けられてよかったなと思います。

さいごに

国立大学に合格するも、「国際交流/留学を中心とした独自の学び」にひかれ、関西外大に入学した大串さん。

入学時は客室乗務員(CA)をめざしていたが、

  • 学科で社会科学系の科目(経済学、マーケティング)に出会い興味を持つ
  • 約1年間の交換留学でアメリカに留学。マーケティングを専攻する
  • 留学中に製薬メーカーなどのインターンシップに参加

といった変遷をたどり、現在の職場である外資大手製薬会社のアストラゼネカに就職。

MRとして現場を体験するとともに、キャリアを重ねていくなかでマーケティングにも本格的に関わり、イギリス本社への出向をはじめ国際的に活躍することをめざす。

大串さん
大串さん

医薬品を通じて多くの患者さんにより良い治療法を提供し、医療の質を向上させることの実践が、私のキャリア形成の根底にあります。将来的には、業界のリーダーとして、医療アクセス向上や疾患啓発に取り組み、社会全体の健康に貢献できる仕事をしていきたいと思っています。


その目標を実現するため、日々の業務においても学び続け、スキルアップを図っているが、そのスキルの素地を育んだのが関西外大の4年間だった。

関西外大の授業や英語学修プログラム、留学を通じて英語力を向上させたことをはじめ、留学先で実践的にマーケティングを学んだこと、そして人間的にも大きく成長できたという国際寮「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」でのRAの体験。

その一つひとつの体験が、今につながっているという。

大串さん
大串さん

例えば、日常的に外国人留学生と触れ合い、国際交流ができるなど、関西外大でしか学べないことがたくさんあり、それをフルに活用できた4年間だったと思います。

4年間はあっという間なので、関西外大でしかできないことを主体的に見つけて、それに全力で取り組んで、実りのある大学生活にしてください!

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