スペイン語学科の卒業生で兵庫県警の刑事として国際捜査に携わる安次富浩さんが「人生は一度きり!」をテーマにオンラインで講演しました/イベロアメリカ研究センター公開講座

 外国語学部スペイン語学科の卒業生で、兵庫県警の警部として国際捜査に携わる安次富(あじとみ)浩さんが6月8日、イベロアメリカ研究センターが開いた公開講座で「人生は一度きり!国際捜査の刑事が語る自分流生き方」をテーマに、オンラインで講演しました。参加した約100人に「やってみたいと思ったことは片っ端から試してください。幅広い前向きの経験が自分を磨いてくれます」と力強いメッセージを送りました。


▲「人生は一度きり」をテーマにオンラインで講演しました

 安次富さんは1988年に卒業。現在、兵庫県警国際捜査課の課長補佐として外国人や外国とかかわる捜査の最前線で活躍中です。講演では外大時代から現在に至る軌跡をたどり、「自分流の生き方」を紹介しました。


▲外大在学中は吹奏楽部でした

 大学時代には将来に向けて、「20代は東京や海外で就職してさまざまな経験をしておきたい」「長期的には、中学時代に感銘を受けたような社会経験豊富な教員になりたい」との目標を立てました。

 教員の目標は未達成ですが、「警察官をやめたら何か教育関係の仕事に就きたいと思っています。その準備も始めています」と話します。自分の哲学を持てばブレることはないといいます。


▲警察官になるまでの20代の話に力がこもります

 卒業後の7年間は、大手ゼネコン、スペインの現地法人、神戸の日本料理店店長、マドリッドの和食店マネジャー、兵庫の食品会社の営業マンと1~2年ごとに転職。29歳で兵庫県警の警察官になりました。「辛いことがいろいろとあって、1~2年で辞めるかもしれないと思っていましたが、刑事の仕事にどんどんのめり込んでいきました」と話しました。

 刑事の仕事は「善悪がはっきりしていて利益にとらわれない点」と「法的根拠に基づいて被害者の無念を晴らすことができる点」で人生を賭ける価値があるといいます。署轄の刑事課で勤務したこともありますが、得意の語学を生かし、一貫して国際捜査に携わってきました。県警の警察学校や警察大学校で講義することもあります。


▲迷子の子犬を抱く画像も紹介しました

 後輩に対しては「とにかく精一杯生きてほしい」「興味のあることは片っ端からやってみてほしい」「外に出ると日本の良いところも悪いところも見える。ぜひ海外留学・生活を体験してほしい」と伝えました。

 講演後、チャットで多くの質問が寄せられました。来月に警察の面接試験を受けるという在学生には「警察官の基本は身を挺して人を守ること。そんな気概を持って前向きに臨んでください」とアドバイスしました。


 
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