「ハーバード式Zoom授業入門」の監訳者、川瀬晃弘・東洋大教授がオンラインで講演しました/第10回FD講演会

 FD委員会は9月8日、オンラインで第10回FD講演会を開きました。「ハーバード式Zoom授業入門」(青弓社)の監訳者である東洋大学経済学部の川瀬晃弘教授が、「オンライン授業の特性を活かした新たな学習者本位の授業づくり」をテーマに講演し、160人を越える教職員が参加しました。

 川瀬教授は、2020年春学期から始まったオンライン授業をめぐり学内で行われた読書会に参加。そこで取り上げられたハーバード大学のダン・レヴィ教授の著書を、多くの人に知ってもらいたいと翻訳を提案しました。同僚とともに翻訳に携わり、今春に完成しました。

 講演では、試行錯誤で始めた自らの体験を披露するとともに、翻訳本のポイントとなる点を紹介、現在行っているオンライン授業の実践例についても触れました。


▲オンラインで講演する川瀬晃弘・東洋大教授(写真右上)と監訳者を務めた翻訳本

 著者のレヴィ教授は「教師は自分たちが何を教えるかに注意を向けがちで、学生が教室で何をするかはそれほど考えていない。〝教えること〟と〝学ぶこと〟は違う」と指摘し、指導上の5原則として「学生中心であること、アクティブ・ラーニングの計画を立てること、ゴールを念頭に置いて始めること、オンライン教育を比較優位に基づいて活用すること、教師は生まれつきの才能ではなく努力してなるもの」を挙げています。

 川瀬教授は「ツールとしてのZoomを説明する本ではありません」と述べたうえで、「5原則に基づいて授業を進めていくことで、オンラインと対面をどう組み合わせていくかを考えていくことができます」と話しました。

 また実践例として、オンラインの講義では「予習、講義、復習のサイクルを確立すること」などを挙げ、「教師の表情も学生には重要な情報の一つ。教師の顔をどう表示するかは大切な要素です」と述べました。一方で「学生同士で教え合う場が減少していること、授業妨害者への対処が必要なことなどがデメリット」と問題点を示しました。

 参加者からは「サボっている学生はどうすればわかるのか」「話しながら学生からの質問のチャットを読むコツはあるのか」などといった質問が次々とチャットで寄せられ、川瀬教授が一つずつ回答しました。





 
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