東海大学の松本亮三名誉教授が「クスコにおけるインカ国家の暦と儀礼」をテーマに講演しました/イベロアメリカ研究センター連続公開講座の第1回が開催されました

 イベロアメリカ研究センターが主催する連続公開講座「暦から知るラテンアメリカ世界 儀礼・権力・世界観」の第1回講座が10月6日、中宮キャンパスのマルチメディアホールで開かれました。会場での開催と同時にオンラインで配信され、計約100人が参加しました。第2回は10月13日、第3回は10月21日に開催します。


▲松本名誉教授がインカの暦について講演しました
 

 この日は、東海大学名誉教授の松本亮三さんが「クスコにおけるインカ国家の暦と儀礼」をテーマに講演しました。文化人類学や中南米先史学などを専攻する松本名誉教授が、スペイン人が記録したインカ時代のクスコの資料を基にクスコの暦の構造を分析するとともに、国家の支配や統合とどのように関わりがあったのかについて話しました。


▲時間の感覚、意識、捉え方についての話から始まりました


 松本名誉教授は最初に、時間の捉え方には太陰暦やホライズン・カレンダーのような自然の動きをモデルにした〝感じられた時間〟と、機械時計による〝刻まれた時間〟の2種類があると指摘しました。そして人類は、太陽の位置から時間を読み取るホライズン・カレンダーや、月の満ち欠けによる太陰暦からさまざまな暦を生み出していったと述べました。


▲クスコ・インカの暦は儀礼・活動とどのようなかかわりを持っていたのでしょうか


 インカ国家のクスコでは、塔や柱を立てて太陽の動きや位置を測る天文観測を行い、祭りや農作業の時期を決めていました。松本名誉教授は「インカの人々は夏至と冬至を基準に農事や儀礼を行いました。太陽は冬至で衰弱し、夏至で若返えると考え、神々や王の衰退、隆盛も意味していると考えました」とし「クスコでは劇場国家が演出されていました」と話しました。


▲連続講座は会場とオンラインの両方で行われます


 10月13日の第2回講座は井関睦美・明治大学教授が「古代メキシコ・アステカ文化の暦」をテーマに、10月21日の第3回講座では久禮旦雄・京都産業大学准教授が「日本の年号(元号)と世界の暦」をテーマに講演します。中宮キャンパスの会場に来場することもオンラインでの参加もできます。参加は無料ですが事前の申し込みが必要です。問い合わせ・申し込みは、イベロアメリカ研究センター ibero-2021@kansaigaidai.ac.jp

 

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