「グローバル時代を生きるとは?大学教育の使命」をテーマにUCLAの平野克弥准教授が講演するSD研修が開かれました

 「グローバル時代を生きるとは?大学教育の使命」をテーマに11月18日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)歴史学部の平野克弥准教授を招いてSD研修(テーマ別)が開催され、教職員83人が参加しました。

 関西外大SD委員会と大学FD委員会、短期大学部FD委員会の共催で、対面とオンラインのハイブリッド型で開かれました。


▲対面で42人、オンラインで41人が参加しました

 平野准教授は日本の近世・近代思想史、文化史が専門でシカゴ大学博士。現在、京都大学人文科学研究所招聘教授のほか、国際的な学術誌「positions」の副編集長を務めています。

 平野准教授は、約30年間にわたる海外での自分自身の経験を紹介しながら、「グローバルな人材とは何か」「大学に出来ることは何か」を講演しました。


▲自らの経験を織り交ぜて話が進められました

 さまざまな感情や偏見が錯綜している現代社会で、「自分には関係ない」と自分の世界にこもったままでいることはできません。気候変動問題などを例に、「応答する責任があり、応答できる人間がグローバルな人材で、個人主義的な生き方はもはや立ち行かなくなりました」と指摘、「ローカルがグローバルであり、グローバルがローカルであり循環しています」と話しました。

 また、「最も避けたい、話し辛いことを論議しよう」と歴史をテーマにして、アジア系や日系人などさまざまな国や人種の学生が参加するゼミをつくった自らの経験にも触れました。「予期しなかったことが次々と起こります。そのとき大切なのは、聞く力であり、感情的にならない忍耐力、相手を理解しようという意志、自分の考えを伝える力です」と言います。


▲グローバル人材と大学教育について鋭い指摘が続きました

 平野准教授は、グローバルな人材について「対話力、聞く力、応答する力、伝える力」を挙げたうえで「言葉を紡ぎ、問題解決のために自ら行動を起こすこと。日常の何げない小さなことで良いので、他人ごとではなく自分に何ができるかを考えることができる人材です」と語りました。そして大学教育に対して「対話を大切にし、言葉を磨き、日常に埋もれた社会性を見つけ出し、共生の可能性を探る場を提供してほしい」と訴えました。


 
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