国際文化研究所・公開講座「イスラームを知る -インドネシアにおける変容-」を開催しました

関西外国語大学国際文化研究所が主催する連続公開講座「インドネシアのイスラーム世界 -信仰・女性・地方文化 -」。

全3回にわたって開催される同イベントの第1回目の講座「イスラームを知る -インドネシアにおける変容-が、1127日(土)中宮キャンパス・マルチメディアホールで行われました。


▲国際文化研究所所長の野村亨教授。
 

講師を務めたのは、本学教授で国際文化研究所所長を務める野村亨教授。
講座ではイスラーム教全般の解説があった後、「インドネシアのイスラームの特色」について講義が行われました。


「インドネシアではイスラーム教の広がりとともに、神と人間との一体感を求める民衆的な信仰である神秘主義(スーフィズム)が生まれ、12世紀ごろから神秘主義教団が誕生。イスラーム教の各地への拡大の原動力になりました」と野村先生。 

聖典であるコーランの知識や規則よりも、感覚で神と一体となるスーフィズムの存在が重視されたのがインドネシアのイスラーム教の特色で、コーランの教えに厳格に従おうとする中近東のイスラーム諸国との大きな違いになっていると解説されました。



▲「ヒンドゥー教、仏教、先祖崇拝、自然崇拝などの要素も多分にまじりあっており、インドネシアのイスラームは比較的自由度が高いのが特色」と野村教授。

 

その後もインドネシアのイスラーム教の特色が時代の変遷ごとに語られ、最後に「まとめ」として、非イスラーム教徒として配慮するべきことが紹介されました。

具体的には…

■お祈りの時間を配慮する
■左手は使用しない

 ・不浄の手とされている手を使わないように
 ・万一使用してしまった時は謝罪の言葉を一言
■断食(プアサ)中、飲食をする場合は周りへの配慮も忘れずに


といった解説がなされました。


▲「神秘主義(スーフィズム)の行者のことをデルヴィッシュといい、父親がイラン人のダルビッシュ有の苗字の語源になっている」といったこぼれ話も。
 

なお、野村教授は今年度で本学を退職されます。

最後に「1977年に高校の教壇に立ち、そこから今日に至るまで教師を務めてきました。教師という職業は本当に天職だと思っておりまして、悔いのない人生を送らせていただいたと感謝しています」とご挨拶され、会場から大きな拍手が送られました。



連続講座「イスラームを知る -インドネシアにおける変容-」の次回以降の予定は以下になります。


■第2回:12月4日(土) 17001900 関西外国語大学 中宮キャンパス・マルチメディアホール
野中 葉 氏(慶応義塾大学准教授)
「ムスリム女性のヴェールと服装 -インドネシアを事例に-
 

■第3回:1211日(土) 17001900 関西外国語大学 中宮キャンパス・マルチメディアホール
メタ・スカル・プジ・アストゥティ 氏(ハサヌッディン大学教授)【中継】
「インドネシアのイスラーム -日常の実践から- 

各イベントの申し込みは以下のリンクからお願いします。
ふるってご参加ください!
https://www.ocans.jp/kansaigaidai/schedule?fid=R8C6tqGZ

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