小川一夫教授の著書が、週刊ダイヤモンドの『ベスト経済書・ビジネス書大賞2021』の第7位に

 本学外国語学部の小川一夫教授の『日本経済の長期停滞 実証分析が明らかにするメカニズム』が、週刊ダイヤモンドの「ベスト経済書・ビジネス書大賞2021」(1月1日新年合併号)の第7位にランクインしました。


▲著書を手にする小川教授

 同大賞は、経済学者や経営学者、エコノミスト128人が選んだ経済、経営にかかわる著作をランキング形式で紹介するものです。

 小川教授の著書は、1990年代から続く日本経済の長期停滞の根本原因を企業・家計の総合的な分析により解明したものです。著書によると、「失われた20年」の脱却に大きく貢献したのは、企業によるリストラ活動で、正規雇用から非正規雇用への代替は、賃金の抑制と収益改善につながり、日本企業の国際競争力を高め、輸出の伸長をもたらしました。しかし、売り上げ増加につながる需要の伸びは大きくなく、設備投資は低迷したままです。投資の低迷は日本経済に対する企業の悲観的な長期見通しに起因し、その最大の要因は消費の伸び悩みです。そして、消費を抑制し、貯蓄を増加させているのは、年金や雇用など将来への不安にあると明らかにします。

 日本経済が長期低迷から抜け出すには、将来不安の原因となっている社会保障制度と雇用制度の改革が欠かせないと結論づけています。

 小川教授は「データを積み上げ、検証していくという地道な研究が評価されて、うれしく思います」と話しています。

 
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