「Go for SDGsシリーズ」特別セミナーでフリーランス国際協力師の原貫太さんが講演しました

 SDGsへの理解をより深めようと、国際交流部の「Go for SDGsシリーズ」特別セミナーがスタートし、第1回の5月20日はフリーランス国際協力師の原貫太さんが「本当に意味のある『社会貢献』~SDGsの前に考えるべきこと~」をテーマに講演しました。


▲大学時代の国際協力活動の経験から話が始まりました

 原さんは大学在学中からアフリカの難民支援活動などに従事し、講演や出版、ユーチューブなどを通じて情報発信しています。「あなたとSDGsをつなぐ『世界を正しく見る』習慣」などの著書があり、ユーチューブには13万人が登録しています。 

原貫太さんの詳しいプロフィールはこちらです



▲南スーダン難民の子どもたちと原さん

 原さんは、アフリカでの難民支援活動に携わる中で「人道支援は大切だがこれは対症療法にすぎないのではないか」と強烈なジレンマを感じました。そして「根本的な解決のために、国際協力や社会問題と一般の人たちをつないでいきたい」と情報発信を続けています。


▲古着のリサイクルを例に国際協力のあるべき姿に切り込みます

 社会貢献のもたらす現実の姿の分かりやすい例として「古着リサイクル」を挙げました。現在、支援のためとして大量の古着が途上国に送られています。2016年に日本は海外へ24万トン(Tシャツ12億枚分)の古着を送りました。アフリカでは1枚6円で販売されるため現地の繊維産業が崩壊し、従事していた8割が失業した国もあります。

 また、輸入した大量の古着の4割を廃棄している国もあり深刻な環境問題をもたらしています。原さんは「良いことをしているとアフリカに送った古着が、新たな貧困や深刻な環境破壊を引き起こしています。大量生産大量廃棄が背景にあることを知っていなければなりません」と話しました。


▲ウガンダで手洗いを指導しました(2019年、右端が原さん)

 そしてSDGsについて「SDGsにどう関わっていくかに目が向きがちな社会の風潮に違和感を感じます。うわべを理解するだけの問題意識のないSDGsでは、善意が新たな問題を生み出しかねません」と指摘します。そして「変わるべきなのは〝彼ら〟ではなく〝私たち〟です。何か新しいことを始めようというのではなく、自分たちの足元を見つめて、何かをやめてみることが大切ではないかと考えてみてはどうでしょうか」と投げ掛けました。


▲オンラインでも同時配信され約70人が参加しました

 参加した学生はとても熱心に聴講し、講演後も質問がたくさん寄せられました。

 国際交流部では、問題意識を深めてさまざまな課題の解決能力を培うためのセミナーや実践的なプログラムを提供しています。関心のある外大生はぜひ継続して、学修の機会へとつなげてください。





 
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