スペイン・トレドから生中継/イベロアメリカ研究センター公開講座が開かれました

 イベロアメリカ研究センターの公開講座が6月8日に開かれ。スペイン・トレドからの生中継で卒業生の谷口麻紀さんが講演しました。


▲スペインからの生中継講演を対面とオンラインで聞きました

 谷口さんは1990年に外国語学部スペイン語学科を卒業、現在トレドで夫とともにカフェテリアを経営しています。この日は「フラメンコ、一流ホテル、どら焼き 人生の変遷は続く!」をテーマに話しました。


▲さまざまなエピソードを交えた谷口さんの講演に引き込まれていきました

 結婚当時、夫がトレドで「Cafeteria Zocodover」を経営していました。ところが、店員が辞めて人手が足りなくなってしまい、接客を引き受けるようになりました。

 折からのコロナ禍で3カ月の外出制限後、営業を再開しましたが客足は伸びず、「何とか活力を与えられないか」と苦肉の策で考え付いたのが〝どら焼き〟でした。アニメのドラえもんはスペインでも人気で、「ドラえもんの大好物のどら焼きは知っているが、食べたことない」という人ばかりで、たちまち評判になったといいます。


▲カフェテリアで販売している〝どら焼き〟は大きな評判になっています

 どら焼きの常連になった客から「あなたは日本人として振る舞えばいい」と言われ、谷口さんは「どら焼きをつくる私に期待が集まっているのを感じて、気持ちが楽になった」と言います。スペイン人は日本人のように他人に頭を下げることはないのですが「それから自然と頭を下げるようになりました。スペイン人も下げてくれます」と話しました。


▲スペインの古都であるトレドは観光客でにぎわいます

 古都であるトレドは閉鎖的といわれ、他国の人には冷たい印象がありました。しかし谷口さんは「お互いに良い影響を与えています」と話し、〝どら焼き〟効果を満喫しています。


▲会場からはスペインをめぐる質問が相次ぎました

 谷口さんは卒業後、ロイヤルホテルに入社し、10年間にわたって最高級のホスピタリティーを仕事としました。また、11年間スタジオに通ったほどのフラメンコ愛好家です。新入社員時代の失敗談から、リズムにはまると離れられなくなるフラメンコの魅力まで、ユーモアを交えて自らの人生の変遷を紹介しました。


 
一覧を見る