「Go for SDGs」特別セミナーがオンラインで開かれ、ユネスコの尾池厚之大使とCSRストラテジストの吉田浩司さんが講演しました

 SDGsへの理解をより深めようと、国際交流部の「Go for SDGs」特別セミナーの第2回が7月4日にオンラインで開かれました。ユネスコ日本政府代表部の尾池厚之大使と、CSRストラテジストでSDGsの拡散活動に取り組む吉田浩司さんが「SDGsの捉え方、世界の現状・自分ごと化」をテーマに講演しました。


▲オンラインで講演する尾池さん(左)と吉田さん

 尾池大使は2015年にSDGsとパリ協定が採択されたとき、外務省地球規模課題審議官として事務方の責任者を務めました。また、吉田さんはCSR検定(SDGsに整合した企業の社会的責任であるサスティナビリティ経営に関する検定)1級を取得し、SDGsを広める活動を続けています。

 第1部は、国連でのSDGs採択時に外交官として直接携わった尾池大使が、SDGs採択までの国際的な背景と現状を語りました。


▲「それでもSDGsが死ぬことはありません」と話す尾池さん

 開発分野での国際社会共通の目標として2000年に国連でまとめられたMDGs(ミレニアム開発目標)は、先進国が途上国を援助するという考え方で、SDGsとは基本的に異なると指摘しました。先進国も途上国も多様化が進んだうえ、それぞれの国内での格差が深刻になったことから、政府だけでなく企業も個人も取り組むべきテーマとしてSDGsが採択されました。

 尾池大使は「コロナ禍とロシアのウクライナへの侵略が分断を深化させ、SDGsは深刻な危機に直面しています」と話す一方で、「国際機関の活動はSDGsを根拠にするようになった。また民間の取り組みが進化し、SDGsが根付いてきました」と述べました。そして「SDGsは忘れられたり、死んだりすることはありません」と締めくくりました。

 第2部では、大学生や企業人を対象に全国でセミナーを開いている吉田さんが「大学生にとってSDGsとは何か」をテーマに講演しました。


▲「ポストSDGsは皆さんが活躍してほしい」と話す吉田さん

 SDGsの17の目標について、社会価値、経済価値、環境価値の点から話したうえで、「関西外大人行動憲章」や外大独自のプログラムとして取り組んでいる「Go for SDGsシリーズ」を取り上げて「自分の学んでいる大学はSDGsとの親和性が高いと思ってください」と述べました。


▲関西外大人行動憲章が「SDGsのゴールとつながっている」と取り上げられました

 吉田さんは「大学生の皆さんにとってSDGsは問題意識を養うことができる絶好の問題集です」と話し、その〝解き方〟として、「アウトサイド・イン」と「バックキャスティング」を紹介しました。その実例として大リーグで活躍する大谷翔平選手が使って有名になったマンダラチャートを取り上げました。

 吉田さんは「2030年以降のポストSDGsで皆さんに活躍してもらわなければいけません。SDGsを達成する方法を学んで、自分の目標を考え出して行動してください」と呼び掛けました。






 
一覧を見る