久留米大学の畠中准教授が「緑・青・灰」をテーマにスペイン・ガリシアの観光について講演しました

 イベロアメリカ研究センターの公開講座が7月8日、中宮キャンパスのマルチメディアホールで開かれました。久留米大学准教授の畠中昌教さんが「ガリシアの観光 -緑・青・灰-」をテーマに講演しました。


▲畠中准教授がガリシアについて熱く講演しました

 ガリシア州はスペイン北西部に位置しており、畠中准教授が留学していたサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学大学院もガリシア州にあります。「スペインは世界有数の観光立国ですが、ガリシア州はまだまだ知名度が低い。実際に暮らした経験から自然、歴史、観光地としての魅力を紹介します」と講演が始まりました。

 
▲自然豊かなスペイン北西部を動画で伝えました

 スペインを理解するうえで特徴的な自治州制度について、説明してくださりました。50の県と県を統治する17の自治州から成っています。EU・国・州・自治体と選挙回数が多く、どの政党に投票するのかはその時々で変わる人が多いようです。

 サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学大学院の周りは学生が多く、「デモの聖地と言われているようで、実際に友人とデモに参加しました」と振り返りました。

 テーマの「緑」について、スペイン北部は自然豊かで緑が多いと紹介しました。「日本人の多くがイメージしているような気温が高い地域ではなく、雨が多く湿度の高い地域で緑豊かな地域がスペインにあることを知ってほしい」と話します。

 また海沿いでは新鮮な魚介類が食べられると美食についても紹介しました。
 

▲ローマ時代に作られた歴史的な温泉など紹介しました

 次にテーマの「青」です。「以前からスペインは温泉が有名で、いろいろな温泉があり川沿いに設置されているものや日本のようなスパになっている温泉もあり私も温泉にいきました」と紹介しました。

 ガリシア州では、ミーニョ川の川沿いにいくつかの温泉施設があり、「日本のような温泉施設ではありませんが、近年は美容・健康ブームで温泉に再度人気がでています」と言います。また隣のポルトガルでは温泉を入るためには、医師の処方箋がないと入れません。温泉を医療として使う国があることも紹介しました。
 

▲動画でボタフメイロの儀式の様子

 テーマの「灰」についても触れました。巡礼についてです。サンティアゴ・デ・コンポステーラは主にフランス各地からピレネー山脈を越えた、巡礼の終着地点として有名です。

 サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂では大きな香炉はラベンダーの香りがし、ボタフメイロの儀式は元々巡礼者の脱臭をするために行われていたものです。

 「近年は巡礼路を歩いている人は、宗教的な理由で歩いている人より自然遺産を見に来た人などが多い傾向があります」と話し、「スペインのガリシア、北部には皆さんのまだ知らないスペインの一部を知ることできるので是非足を運んでみてください」と参加者に呼び掛け講演を閉めました。

 講演後の質疑応答では、外国語学部スペイン語学科の学生から質問が相次ぎました。
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