短大部・川﨑教授のPBL 大阪府立長尾高校と連携し「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の獲得をめざします

 秋学期の短期大学部PBL(課題解決型授業)は、川﨑孝生教授と森常人准教授の指導でそれぞれ学修を進めています。川﨑教授が担当するクラスでは10月7日、連携する大阪府立長尾高等学校の藤原和美校長と宮村邦子首席・教諭を招いて特別授業が行われました。


▲長尾高校の課題について話す藤原校長

 授業は短期大学部の1、2年生20人が履修。高校と短大という価値観の違いを越えて、より良い関係を築くことのできるコミュニケーション力と協調性の養成をテーマに取り組んでいます。これまで受講生たちは4グループに分かれ、長尾高校について情報収集したうえで、その特徴や強みについてまとめグループごとに発表を行ってきました。

 この日、藤原校長は自己紹介のあと「長尾高校のこれまでとこれから」と題して講義を行いました。まず、2022年度に創立50周年を迎えたことなど高校の概要を説明。「生徒会活動や部活動をはじめ、地域の大学・企業と連携して行うイベントは特に力を入れて取り組んでいます」と話しました。
 
 また近年、生徒や保護者から好評を得ている活動として、生徒の学びを手厚くサポートする「とことんプロジェクト」や、学校生活の諸問題について教師と生徒が話し合う「わくわく委員会」を紹介しました。

 一方で、少子化による志願者数の減少や公立校の二極化など、学校を取り巻く環境は年々厳しさを増していると述べました。

 そのうえで、令和5年度にめざす学校像を「多様な学びの機会の創出」と説明。「中学生や高校生が魅力に感じる、多様な学びの企画を提案してほしい」と、今回のPBLの課題を受講生たちに提示しました。

 同時に、「施設設備などハード面のグレードアップは考えない」「制服は変更したばかりなので考慮しない」といった立案条件を挙げ、外短生の豊かで柔軟な発想力に期待を寄せました。

 さらに質問を付け加え、「自分が高校生のとき、どんな授業を受けたかったか、どんな学びの機会があれば嬉しかったか」について教えてほしい、と問い掛けました。受講生たちは真剣な表情でメモを取りながら聞き入っていました。


▲藤原校長の話に耳を傾ける受講生たち

 この後、質疑応答コーナーに移り、受講生から「生徒の要望は『わくわく委員会』でどれくらいかなえられるのですか?」「アルバイト禁止の理由は?」「総合的な探求の時間は、SDGsの他に何かされていますか?」などの質問が投げかけられました。

 これらの質問に対し宮村首席・教諭は、「自転車置き場に屋根を付けるなど、半分以上のリクエストに応えるべく動いています」「生徒のアルバイトは許可制です」「毎朝10分間、読み物(新聞記事など)を読んで感想を書く活動を続けており、論理立てて伝える力がものすごくついています」と答えました。


▲受講生の質問に答える宮村首席・教諭

 福留颯大さん(2年生)は「校長先生の教育にかける熱意が直に伝わってきました。生徒のために何をしようとしているのか、いろいろと具体的に分かって良かったです」と特別授業の感想を話していました。
 
 金城亜里沙さん(2年生)は「今まで校長先生というのは、学校の責任者という理解でいたのですが、生徒や教職員のことを第一に考えておられると同時に、会社の経営者的な視点も必要なのですね」と語っていました。

 今後は、高校への現地調査や活動計画の立案などに取り組み、提示された課題について、12月にプレゼンテーションを実施します。
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