「アフリカの冒険的現代」をテーマに公開シンポジウムが始まりました。16人の研究者が各々のフィールドワークでの経験を2日間にわたって報告します

 公開シンポジウム「アフリカの冒険的現代 -偶然化に託す希望のチカラ-」が3月4日、ICCホールで開かれました。「冒険性」「偶然性」「希望の力」をキーワードに2日間にわたってアフリカの人々の生活や食べ物、文化、仕事などを報告します。

 
▲2日間に渡って計16名の登壇者がアフリカの冒険的現代について多面的に報告します

 「アフリカの冒険的現代」実行委員会が主催し、オンラインでも配信され、2日間で16人が発表します。3月4日は最初に、アフリカ文化論を研究している外国語学部の近藤英俊教授自らのナイジェリアでの調査を振り返りながら、希望や冒険性。また冒険から生まれる偶然性を紹介しました。

 
▲アフリカの人々の前向きさや希望を抱き行動する姿を話す近藤教授

 中村博一さんは「豆腐の冒険・出稼ぎ・Bandit」をテーマに発表しました。ナイジェリアに導入された大豆栽培と日本人技術者によって、ナイジェリア、ニジェール、ガーナの一部で日常食となっている豆腐(厚揚)について報告しました。「豆腐の加工方法や地域によって異なる豆腐の呼び方、販売方法などの多様化には人々の冒険性がみえる」とし、「またそれが成り立っているという偶然性が確認されました」と言及しました。

 
▲中村さんは地域によって豆腐の呼び方が異なることを紹介しました

 米国からオンラインで参加した小川湧司さんは「技術大学の若者がテクノロジーにかける夢」をテーマに発表しました。ナイジェリアでプログラミングなどを学ぶ学生は、警察権力によりインターネット詐欺師との類似関係を持った存在として見られることがあります。自らの技術や能力を認めてもらう希望を持ちながら、警察権力に抵抗している姿を発表しました。

 3月4日はこの他、「冒険を可能にする条件-商業と自前のセーフティネットの新たなつながりを求めて」、「流動化に抗う:カメルーンの都市で仕事を続けること」などをテーマに報告されました。

 3月5日は、「狩猟採集社会にとっての冒険・希望・偶然性:南部アフリカのサンの事例から」、「『アンチ・ドムス』という生き方、あるいは冒険について:コンゴ盆地の狩猟採集民バカの事例から」、「チャンスとしての土地改革-ナミビアの牧畜民ヒンバ及びヘレロの事例から」について報告し、総合討論を行います。
一覧を見る