教職教育センター開設20周年記念式典を開催 卒業生や元教員ら約150人が出席

 関西外国語大学教職教育センターが開設から20年を迎え、8月20日、中宮キャンパスのICCで記念式典が開かれました。同センターは、教職課程履修者を対象に、教員の養成支援活動や小・中・高校の教育現場との連携を目的に2003年9月、「教職英語教育センター」として開設され、2013年4月の英語キャリア学部英語キャリア学科小学校教員コースの設置に伴い、現名称に改称しました。

 記念式典は第1部の講演と第2部の懇親会の2部構成で行われ、大学の幹部や現・元教員、教職に就職した卒業生ら約150人が出席しました。


▲教職教育センター開設20周年式典であいさつする谷本榮子理事長

第1部
 第1部はICCホールであり、冒頭、谷本榮子理事長があいさつしました。谷本理事長は、教職教育センターが、文部科学省の「『英語が使える日本人』の育成のための行動指針」に沿って取り組みをスタートさせたことや、教職課程を履修する学生を教育現場に派遣する事業が文科省の優れた取り組みに選ばれたことを振り返り、センターの歩みと文科省との「縁」を強調し、関係者に謝辞を述べました。

 また、教員採用試験で実績を挙げてきたことに触れ、対策講座などに取り組んできた教員の労を労うとともに、次の20年に向けた期待を示しました。


▲20年の歩みを紹介する教職教育センター・センター長の西村孝彦教授

 続いて、教職教育センター・センター長の西村孝彦教授がセンター発足時の写真や広報資料などをスクリーンに映しながらセンターの歩みを紹介しました。


▲講演する岡田伸夫教授(左)と直山木綿子文科省視学官

講演 英語キャリア学部 岡田伸夫教授
 この後、講演に移り、英語キャリア学部の岡田伸夫教授が「英語学研究に基づく学習英文法の構築を目指して」と題して話しました。

 英文法研究が英語教育、言語教育に対してもたらした貢献を評価しなければならないと指摘。そのうえで、学習英文法の内容を踏まえ英文法指導の改善方法を具体例で考えました。そのうち、定冠詞theを使うのは「名詞が指しているただ一つのものに固定できるとき」と定義しました。最後に、伝統的な学校文法の内容を見直す必要を説きました。


▲講演に耳を傾ける出席者

講演 文科省初等中等教育局 直山木綿子視学官
 続いて、文部科学省初等中等教育局の直山木綿子視学官が「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善」のテーマで講演しました。

 小学校学習指導要領が掲げる各教科の主体的な学び、対話的な学び、深い学びの内容を紹介。今後は、子ども一人一人が自分の可能性を認識するとともに、多様な人々と協働できるような学びが求められるとして、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させることが重要と指摘。こうした方面で成果を挙げている例として、宮崎市の小学校の外国語活動の授業を紹介しました。


▲第2部の懇親会

第2部
 第2部はICC内の音楽教室で行われました。大庭幸男学長が、関西外大の教員養成が70年前の関西外国語短期大学の教職課程から始まった歴史に触れながら、「かけがえのない人材を世界に送り出していることを誇りに思っています」とあいさつした後、乾杯の発声をし、懇談が進みました。


▲あいさつする大庭幸男学長

 祝辞で、初代教職教育センター・センター長を務めた網倉尚武氏は「谷本貞人前理事長に対し、教職の相談に対応できる部署の必要性を訴えたところ、初代センター長に命じられた」とセンター発足のエピソードを紹介。「教職を目指すなら関西外大と言われるようになってほしい」と述べました。


▲大庭学長(手前)の発声で乾杯する出席者

 また、本学卒業生で枚方市教育委員会の新保喜和学校教育部長は枚方市と教職教育センターとの取り組みを紹介し、センターが実績を挙げていることについて「初期の先生方の苦労が実っている」と話しました。


▲祝辞を送る初代センター長の網倉尚武氏(右)と枚方市教育委員会の新保喜和学校教育部長

 最後に、谷本和子短期大学部学長があいさつに立ち、「教職教育センターがこれまでに蓄積してきた経験を生かし、次の20年に向けて、さらなる教職人材の育成に尽力されることを期待します」と述べ、短期大学部として全面的に支援する意向を示しました。会場では、キャリアセンターの谷本賢梧さんがエレクトーンで「千本桜」など数曲を演奏し、雰囲気を盛り上げました。


▲あいさつする谷本和子・短期大学部学長
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