外国語学部の土井正樹准教授が第14回日本考古学協会奨励賞を受賞しました

 外国語学部の土井正樹准教授が、第14回日本考古学協会奨励賞を受賞しました。2022年に出版した「古代アンデスにおけるワリ国家の形成―小集落からみた初期国家の出現過程」(臨川書店)で考古学の分野に目覚ましい貢献をしたことが評価されました。



 土井准教授はアンデス考古学が専門です。インカ帝国より以前の西暦600~1000年に、アンデス地域最初の帝国となった「ワリ国家」について研究を重ねました。「古代アンデスにおけるワリ国家の形成」は20年来の研究成果をまとめたものです。

 インカ帝国より古い時代のアンデス文明には文字がなく、発掘調査による出土資料から考察していく地道な研究が続いています。ワリ国家は従来、「皇帝を中心とする中央集権的な国家」と解釈されてきました。しかし土井准教授は、統治する側の視点を中心とした研究ではなく、逆に統治されていた人たちからの視点で考古資料を使って検証を重ねた結果、「従来考えられていたほどのしっかりとした支配ではなかったのではないか」との結論に達しました。



 土井准教授は「今まではワリ国家の中心地についての調査が核になっていましたが、これからは中心地から離れたところについて調査を広げたい」と今後の研究について語り「今回の受賞は励みになります」と話しています。
一覧を見る