外務省の吉廣朋子・北東アジア第一課長が外交講座で「アジアの中の日本外交」をテーマに講演しました
▲約180人の外大生が受講しました
「アジアの中の日本外交:世界を俯瞰して日本を考える」をテーマにした講座には、外国語学部の「日本対外政策論・外交政策」「アメリカ文学史」の履修生を中心に約180人が参加しました。吉廣課長は「日本はどのような外交環境の中でどんな外交政策を推進しているのか」と「外交官の経験」の2点について講演しました。
「〝現在の国際社会は歴史の転換点にある〟というのが外務省の基礎的な認識です」と前置きしたうえで、国際的な主要課題として「国際秩序に対するあからさまな挑戦であるロシアの侵略」「存在感を高めているグローバルサウス」「問われているグローバル・ガバナンスのあり方」「戦後最も厳しく複雑になった日本周辺の安全保障」「10年前にはほとんど意識されなかった経済安全保障などの新たな課題」を示しました。
▲日本外交の先行きについて述べました
このような国際的な課題を抱えた日本外交の先行きについて、吉廣課長は「同盟国・同志国との連携を強化し、自由貿易の旗振り役としてのリーダーシップを発揮していくことが重要です」と述べ、一層厳しく複雑になったアジア地域の安全保障をめぐっては「日米同盟を強化し、同志国との連携を強め、外交力で危機を未然に防いでいかなければなりません」と話しました。加えて近隣地域の、中国、韓国、北朝鮮、東南アジア諸国との関係についても触れ、現状と課題について分析しました。
このほか、自身の外交官としての経歴を踏まえて、外交の舞台裏について話しました。現在担当している日韓外交の現場のほか、G7や国連などの表舞台ではなかなか知ることのできない外交の駆け引きなどを紹介しました。
▲外交官の現場からの声に興味が湧きました
参加した学生からの質問を受け付ける時間も設けられました。「外交官を目指している」という学生などから「通訳したときにトラブルはないのか」「外交官になろうと思ったきっかけは何か」といった質問が上がりました。
▲学生からの質問が続きました
外交講座の後、吉廣課長は谷本和子短期大学部学長と懇談しました。谷本学長が2025年4月の「アジア共創学科」の開設などに触れながら「アジアとのつながりをもっと強めていきたいと考えています」と話すと、吉廣課長は「アジアの活力は日本にとってとても重要です」と応えていました。
▲谷本短大学長(左)とアジアをテーマに懇談しました
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