≪Laos Study Tour REPORT≫国際共生学部2年 中村美幸さん Vol.3/これがまさにExperiential Learning
ラオスへのスタディーツアーで人生最大級の衝撃を受けたという中村さんは、現地で見たり聴いたりすることもさることながら、他の5人のメンバーとの会話で学びのレベルがどんどん高まりました。
難民を助ける会の職業訓練校に向かうために乗ったトゥクトゥク(原付三輪自動車)の車内でのことです。「ラオスの人たちはお金持ちがお金を使っていることをどう思っているのか」が話題になったことがありました。
隣席のメンバーは「それはwantとneedの違いじゃないか」と話し始めました。「私たちは、トイレのドアが壊れていたら〝ドアを修理しないといけない〟(need)となる。途上国の人たちは、トイレの水が流れるだけで十分で〝ドアを修理したい〟(want)となる。そもそもお金を持っている人と、持っていない人のスタンダードが違う」という話になりました。
▲トゥクトゥクの車内でもメンバーと議論しました(前列右端が中村さん)
ノートには、訪問先で聴いたことは前のページから、メンバーと話していて気が付いたことや考えたことは後ろのページから書くようにしていました。後ろのページからメモが押し寄せてきて、すぐにノートを使い切ったといいます。
夜中の午前1時や2時まで、レポートを書いたり、ジャーナルをまとめるメンバーがいました。訪問先の人たちとの会食の場でも、懸命にメモを取るメンバーもいました。「友だちの熱意を見習わないといけないと痛感しました。互いに刺激し合うことで、お互いがどんどん高まっていくことを実感しました」と振り返りました。
仲間と刺激し合い、お互いを高め合う中で、中村さん自身にさまざまな疑問が湧いてきました。
「発展することでラオスのアイデンティティーが失われることにならないか」との疑問から「みんながラオスを発展させようと頑張っているけれど、本当にラオスを発展させる必要があるのか」と考えたことがありました。
「発展とアイデンティティーはどこまで共生できるのか」「どこまで発展させるかを考えることが大切なのではないか」「全体的にスタンダードを上げることで解決できないのか」と自分なりの答えを模索しました。
さらに「ところで日本の課題や問題点は何だろうか」との疑問が出てきたこともありました。ラオスの現実を見て考え、意見を交わしているからこそ「それでは、自分たちが生活している今の日本はどうなんだろう」と考えるきっかけが生まれました。
▲ラオスの元大臣(左から2人目)から話を聴きました(中村さんは右から2人目)
中村さんは2カ国留学で「サスティナビリティ―」と「ビジネス」を学ぶのが目標です。「環境のために何かできる会社を起業したい」と将来の目標を掲げています。
今まで漠然としていた目標が、スタディーツアーではっきりと見えてきました。ラオスでさまざまなことを学んだからこそ、「サスティナビリティ―」と「ビジネス」を学ぶ必要性が明確になってきました。
▲WWFラオスで自然保護について聴きました
中村さんの12日間はまさに「Experiential Learning」そのものでした。
なかむら・みゆき/山梨県出身。山梨学院高校卒業後、2023年に関西外大国際共生学部に入学した。福田和生准教授のインフォーマルゼミ(研究会)に所属し、ラオスへのスタディーツアーに参加した。
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