日本コロンビア友好協会会長・寺澤辰麿氏の講演会が中宮キャンパスで開かれました。イベロアメリカ研究センターの連続公開講座2回目で、次回は11月26日(火)です。
連続講座は、スペイン語圏の国や地域を広く研究する、本学の「イベロアメリカ研究センター」(センター長、林美智代・外国語学部教授)の主催。この日は、講座の企画を進める福嶋寛・外国語学部教授、林センター長のあいさつのあと、寺澤氏が登壇しました。

▲左から、福嶋教授、谷本榮子・本学理事長、寺澤氏、林センター長
寺澤氏はまず、明治時代初期の日本とコロンビアの関係から話を始めました。1871年(明治4年)から1878年(明治11年)にかけて何度も日本を訪れた、ニコラス・タンコ・アルメロというコロンビアの商人による著作でスペイン語圏初めての日本滞在記「最近の旅行の想い出―日本」を基に、アルメロの見た近代日本と当時のコロンビアの状況を紹介しました。
著作は、寺澤氏自身が「コロンビア商人がみた維新後の日本」の題で翻訳本を出版(中央公論新社)しており、「日本に対して『外国の発明を吸収するのは早いが、自発性や創造性は乏しい』と、厳しい評価が多いものの『女性については、感じがよく、表情が豊か』とほめていることもある」と、記述内容をユーモアも交えて、詳しく解説しました。

▲講演する寺澤氏
続いて、近現代の日本とコロンビアの関係に話を進め、「両国は1908年(明治41年)に修好通商航海条約を締結した。第二次大戦では敵国となったが、1954年に国交を回復し、近年では投資保護協定や租税条約を結ぶなど協調関係にある」としました。さらに現代のコロンビアは「キューバ革命後、左翼ゲリラや麻薬組織が出現したこともあったが、国民性は元来平和的で、自由主義、民主主義的な法治国家だと話しました。

▲会場には一般参加の方の姿も見られました
初回に続き、会場には一般の参加者もおり、枚方市内から訪れたという60歳代の女性は「コロンビアは少し怖い印象を持っていましたが、そんなイメージはなくなりました」と感想を話していました。
次回講座の日程、テーマは以下の通りです。
◆11月26日(火)午後5時開演
テーマ「魔術的リアリズム作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの作品と波乱に富んだ人生」
講師 木村榮一氏(スペイン文学・ラテンアメリカ文学翻訳者、神戸市外国語大学名誉教授)
会場定員300人でオンライン受講(Zoomウエビナー)も可能です。申し込みは、来場は11月24日、オンラインは開催当日午後3時までに、以下のURLからお申込みください。
http://www.ocans.jp/kansaigaidai/schedule?fid=R8C6tqGZ
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