関西外大国際文化研究所の連続講座「流転の冒険者たち:アフリカの妖術と現代」の2回目の講座が開かれました。次回は12月20日(金)です

▲「流転の冒険者たち:アフリカの妖術と現代」の第2回講座が開かれました
近藤教授は冒頭で、前回の講座で紹介したような妖術使い(ウィッチ)を犯人にするような事件が頻発しているわけではないとしながら、人の心にある嫉妬心が、女性や、通常は尊敬されるべき老人をウィッチにしてしまうことがあると前置きをしました。

▲現地の写真を紹介しながら話をする近藤教授
近藤教授は、研究のために滞在したナイジェリアで入居していた家の家主が、過剰な信仰心を持っていたり、指導や注意に対してきつい目つきを返してきたりした下宿人をウイッチとみなし、家を追い出すことがあったと紹介。さらに、ある研究者からの支援を受けて大学で学んでいた南アフリカの若者が、弟妹がウィッチとされて殺人の嫌疑をかけられたために、学問をあきらめ学資も失ったことを、妖術に原因を求めた事例などを話し、「妖術は不可解な現実や出来事を必然化しているようにみえる」としました。

▲アフリカの妖術について、図を交えて解説する近藤教授
さらに、偶然の出来事を妖術に結び付け必然化する関係性について、日本の哲学者の九鬼周造の研究をとり上げながら、「アフリカの妖術は、出来事のなかに偶然性を探し出し、現実を偶然化しようとする。それは妖術が、偶然性の驚異なしには証を立てられないからだ」と、妖術の背景を解説しました。
次回の日程とテーマは以下の通りです。
12月20日(金) 「渦中の人々:都市化と妖術」
講座は午後3時から4時半の予定で、参加無料、予約不要です。参加ご希望の方は、直接会場の中宮キャンパス5号館にお越しください。
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