≪輝く外大生≫町田類さん(外国語学部スペイン語学科3年)/ジャズに懸ける/「Seiko Jazz Camp」で最優秀賞

 関西外大のJAZZ研究会BEATsでコントラバスと出会い、ジャズに懸ける外大生がいます。町田類さん(外国語学部スペイン語学科3年)は、2024年に「Seiko Summer Jazz Camp 2024」に出場し、最優秀賞を受賞しました。

 
▲Seiko Jazz Camp 2024で最優秀賞に輝いた町田さん

-プロフィール-

 町田類さんは、2003年に兵庫県西宮市で生まれました。小学1年からピアノを始め、中学1年にウクレレと出会いました。2021年に関西外大の外国語学部スペイン語学科に入学。入学後は、JAZZ研究会BEATsに入部し、コントラバスを弾き始めました。

■関西外大にいなければ今の自分はない

 ミュージシャンや楽器演奏者は、幼い頃から楽器を手にし、海外に学びに行くといった人も多いはずです。町田さんがコントラバスに出会ったのはほんの数年前です。

 小学校の頃から両親の勧めもあり、ピアノを習っていたと言います。中学校に入り、弦楽器に興味を示し、ウクレレを独学で始めました。動画配信サイトでウクレレ演奏を見て、さまざまなジャンルの音楽を弾くようになり、虜になったのはジャズでした。

 
▲コントラバスを演奏する町田さん

 関西外大への入学直後は、新型コロナウイルス感染症のためクラブ・サークル勧誘がありませんでした。夏頃からようやくクラブ・サークル勧誘が行われ、ジャズ好きだった町田さんはすぐにJAZZ研究会BEATsへの入部を決意しました。入部後すぐ開催された外大祭は、ウクレレ演奏者として参加しましたが「ジャズにウクレレはあまり出番がないかもしれない」と思い始めます。

 ジャズを本格的に演奏するため、部内にあるピアノやドラムなどさまざまな楽器を試しました。しかしどれもしっくりこず、部内では演奏者が少なかったコントラバスを手にしました。予想外にもくぎ付けになり、夢中になりました。

 ジャズで演奏できる楽器探しで出会ったコントラバスが現在の活動につながります。町田さんは「関西外大に入学していなかったら確実に今の自分はないと思います」と話します。

■自らの足で活動の幅を広げた

 ジャズとコントラバスにすっかりのめり込み、2022年からは学外でのセッションに一人で参加するようになりました。部活動での演奏とは異なり、セッション仲間との入念な練習はなく「ジャズの洗礼を受けました」と振り返ります。

 一方で、演奏を通して他の演奏者と会話しジャズを奏でるように「とても新鮮で、ジャズの世界に一気に引き込まれました」と満面の笑みを浮かべました。

 
▲さまざまな場所でジャズを披露するようになりました

 2022年冬には、セッションを通じで出会った仲間とバンドを組み、第41回浅草ジャズコンテストのバンド部門に出場しました。見事予選を突破し、コンテストでは審査員特別賞を獲得しました。

 コンテストに出場してからは、関東でのセッションに招待されたり、プロの演奏者からライブへの出演依頼が届くようになりました。仲間から「就職しても演奏を続けるのでしょ?」「プロにならないの?」と声をかけてもらうたびに、将来について真剣に考えるようになりました。

■ジャズ・ミュージシャンの登竜門に出場、最優秀賞に輝く

 世界で活躍するジャズ・ミュージシャンや米国の音楽大学で教鞭を取る有名な講師から直々に教えてもらいたいとの思いから「Seiko Summer Jazz Camp 2024」に応募しました。

 Seiko Summer Jazz Camp 2024(ジャズキャンプ)は、日本の時計メーカーSEIKOが、ジャズ・ミュージシャンを目指す若者に、演奏技術と理論、楽しみ方や音楽との向き合い方などを学ぶ機会を提供する5日間のキャンプです。2016年から開かれており、世界で活躍する一流のジャズ・ミュージシャンから直接教えてもらえる人気のプログラムです。

 応募条件は、16歳~25歳までが対象で、募集定員は40人と狭き門です。参加するために、演奏動画を講師となるプロのジャズ・ミュージシャンに見てもらい、参加の権利を獲得する必要があります。応募者の中には、海外で音楽を学ぶ日本人や現役の音大生も応募するほど技術力はハイレベルで、高倍率で競うことになります。

 
▲Seiko Summer Jazz Camp 2024で最優秀賞に輝きました(中央が町田さん)

 狭き門をくぐり抜けサマーキャンプに参加できた町田さんは、「台風の影響で4日間になりましたが、夢のような時間でした」と思い返しながら「いつも動画で見ている方の演奏はテンポの取り方、重心の取り方など段違いにレベルが異なりました」と話します。

 最終日には4日間の取り組みを通して評価される表彰式が行われ、町田さんは最優秀賞(Most Outstanding Student Award)に選ばれました。トロフィーとセイコーの腕時計のほか、副賞として米国ノースカロライナ州ブレバードで行われるJazz Institute at Brevard Music Centerで本格的なジャズを2週間にわたって学べる短期留学も贈られました。

 
▲「夢のような4日間だった」と振り返りました

■活躍の場を世界に広げたい

 町田さんは「まさか自分が賞を頂けるなんて思っておらず、とてもびっくりしました」と話し、「ジャズが好きという思いでここまで来れてとてもうれしいです。やればできるという自信が付きました」と喜びを語りました。

 また、「キャンプでは外国人講師が多く、自分で積極的にコミュニケーションを取ることができたのは、外大生だからだと思いました」といいます。「キャンパス内や授業で外国人の先生や留学生と交流する外大での環境は、知らず知らずに自分の中で普通になっていました。キャンプ中の外国人講師のレッスンも何の違和感なく、音楽のことだけに集中できたのは、これまでの外大での生活のおかげだと感じました」と外大で培った学びの成果に感謝しています。

 卒業後はジャズの発祥の地でもあるアメリカの音楽大学に進学したいと話す町田さんは「関西外大の卒業生は世界中のさまざまなフィールドで活躍されていると聞きます。私もその一人になれるように、卒業までの間音楽はもちろん、語学や異文化理解も深めていきたいです」と決意を固めています。

 
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