学生や市民でにぎわった 関西外大×JALエアラインフェア 70周年記念事業として開催

 創立70周年記念事業の「関西外大×JAL エアラインフェア」が1128日、中宮キャンパスのマルチメディアホールなどで開かれた。エアラインを志望する約400人の学生が参加し、一般参加もできる「航空教室」には家族連れの市民約100人が訪れた。

▲ 約400人の学生が聴き入った講演会

 

 マルチメディアホールでは日本航空取締役専務執行役員の大川順子さんと本学卒業生の現役CA(客室乗務員)の出雲瑛莉子さん(20073月、外国語学部英米語学科卒)が学生を相手に講演。「航空教室」の後、CAのチアダンスチーム・JAL JETSがチアダンスを披露。ホール入り口ではCAやパイロットの制服や機内で使っている座席の体験もあった。1号館では、エアライン演習室で本学OGCAを囲んでの特別相談会、学生ラウンジでJALへの就職内定者とエアライン志望者との座談会が行われた。

▲ 学生たちにJALの企業理念などを説いた日本航空取締役専務執行役員の大川順子さん

 

 谷本義高・大学学長のあいさつに続き、大川さんが講演した。大学は理系だった大川さんが就職難の折にJALCAへと進んだ経緯やCAと子育ての両立などについて語った。2010年の経営破綻などを機に経営ボード入りしたことや再建の結果生まれ変わったJALの企業理念やフィロソフィーなども紹介した。

 

【本学OGが表彰された機内アナウンス】

 また、JALは経営破綻を機に、シートベルトや荷物などに関する必須の安全規定を除いて、機内アナウンスのマニュアルを変更した。おきまりの言葉は使わずに自作を求め、大川さんによると「覚悟と勇気と責任をひしひしと感じながらの決断だった」という。そして、乗客や社員を感動させたアナウンスが生まれる。作者のCAは本学OG。後に社内表彰された。

 

 それは、東日本大震災のあった2011年の大晦日、ロンドン発成田行の到着時の機内アナウンス。CAはマイクに向かって、「(前略)避難先にて年越しを迎えられる方々もまだ多いと聞き及びます。今まで当たり前に過ごしていた日常の中の小さいかも知れないけれどかけがえのないもの、そういったものが自分の手に触れられるところにあることに、改めて感謝の気持ちを感じられる。そのような年ではなかったでしょうか。私ども日本航空にとってかけがえのないもの、それはお客さまお一人おひとりです(後略)」と話しかけた。大川さんは自らこのアナウンスを演台から語りかけて講演を締めくくり、新生JALの企業理念などを印象づけた。

▲ 航空教室では、最前列に真剣な表情の子どもたち

 

【子どもたちも真剣だった航空教室】

 講演に続いて行われた航空教室では、日本航空広報部担当部長の阿部泰典さんが最前列に陣取った家族連れや学生ら約200人に向かって、飛行機の話をわかりやすく解説した。長さや重さ、本物と紙飛行機との比較など初めて聞く話に、会場のちびっ子たちから歓声も。質疑応答では子どもたちから、「飛行機はなんでこんな形をしているの?」など素朴な疑問が続出し、阿部さんもたじたじとなりながら「いい質問ですねぇ」を連発し、丁寧に答えていた。

 並行して行われた制服体験は長い列ができ、記念撮影する学生たちでにぎわった。子ども用の制服も用意され、だぶだぶの制服を着たちびっ子に「かわいい」の声が上がった。

▲ 記念撮影の順番待ちで列ができた制服体験

 

【現役CAと語ろう】

 1号館エアライン演習室の「本学OG、現役のJAL客室乗務員(CA)と語ろう」では、学生が30人ずつに分かれ、講演したCAの出雲瑛莉子さんに次々と質問した。

 「JALの強みは」の質問に、出雲さんは「外国人客から日本の伝統、奥ゆかしさを代表しているといわれることがある」と紹介。日本を代表するナショナルフラッグキャリアだけに、日本人としてあるべき姿を伝えられる立場にあることが強みではないかと話した。普段気をつけていることには、「笑顔」と答えた。
 また、出雲さんは「いちばん印象に残っていること」として、お客さまへの対応に苦慮した経験談を語った。ある国際線のお客さまが
CAの呼び出しボタンを何度も押し続け、要求はエスカレートしたが、応じることは難しかったという。目的地に到着後、責任者と一緒にそのお客さまの話を1時間ほど聞いたところ、最後に「話を聞いてくれてありがとう」と理解を示してくれたといい、こうしたフライトがあった際には、反省点とし、改善する目標にしていると述べた。


▲ 講演を終えた後、1号館に移動して学生たちの質問に答える本学OGのCA、出雲瑛莉子さん


▲ JALのCAに内定した先輩(手前)と話し合う学生たち

 

JALへの就職内定者との座談会】

 1号館学生ラウンジでは、JALCAに内定している学生との座談会が開かれた。7つのテーブルに分かれて座った内定者11人とJAL出身のキャリアカウンセラー3人の計14人を相手に、各テーブル24人ずつの学生が就職活動や学生生活の過ごし方などについて聞いた。

 内定者の生野咲季さん、藤宮愛子さん(いずれも外国語学部英米語学科4年)のテーブルでは、学生がJALを志望した理由を質問。2人は、「インターンシップに参加しJALをよく知るようになると、私はここで働きたいと強く思うようになった。業界と関われる何かのチャンスがあれば、直ちに挑戦してきた」「業界への就職実績がある外大にいると、いろいろとメリットが多い。掲示板には多くの情報が出ているので小まめにチェックする必要がある」などと答えていた。

 また、「キャリアセンターは情報の宝庫。無料だから、いっぱい使ったほうがいい」「エアライン講座にもどんどん参加して」などと積極的に取り組むよう後輩たちを励ました。

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