本気で子どもに向き合える先生めざして 中宮の教採対策講座「夜スペ」


▲55人の学生が参加し、熱心に学び合った12回目の夜スペ 

中宮キャンパスの平成27年度教員採用試験一次対策講座「夜スペシャル(夜スペ)」が4月7日から行われている。全29回、43.5時間の学びを通して、生徒・児童に本気で向き合える先生の養成をめざす。


▲「進路指導は自己実現 教師にできることは何か」 熱を込めて話す角野教授 

第12回目となる4月30日、ICCの6207教室で行われた夜スペには55人が参加。教職教育センター長の角野茂樹・英語キャリア学部教授が講師を務めた。今回の学習内容は「進路指導」。新聞記事やデータの読解、集団討論を通して、理解を深めた。加えて、安倍首相が4月29日、米議会で行った演説の英文を教材に英語力の強化を図った。

講座は、全員が起立し「お願いします!」の掛け声でスタート。角野教授は「進路指導」とは、単に卒業後に進む学校や職場選択を指導するだけではなく、小・中・高を通じて児童・生徒が自己実現を果たすための指導でなければならないと強調。それを阻む学力低下や就労不安、中途退学といった問題について、新聞記事や調査データを根拠に、学生それぞれが自身の言葉で自分の考えを構築するよう求めた。


▲自身の言葉で、自分にしか語れない考えを、懸命に伝える 

進路指導では様々な家庭環境にある児童・生徒に向き合うことから、この日の集団討論のテーマは児童虐待。学生らは、子ども、教師、保護者それぞれの視点から新聞記事を読み、3・4人のグループに分かれてから、次々と考えを述べていった。


▲試験本番を想定し知らない学生と組む 新しい考えに触れる機会にもなる 

元の座席に戻った後、虐待同様に問題となっている貧困について、子どもの視点からその背景や支援を描いた『貧困を背負って生きる子どもたち 仁の物語』前編と後編をYouTubeで視聴。角野教授は、様々な状況にある自分の生徒に向き合うためにも、調査データに基づいて今の子どもの現実を把握し、彼らの自己実現に向けて力を尽くさなければならないと話し、進路指導に対する各自の考えを書きまとめるよう指示した。最後に英文教材を読み、講座は終了。全員が起立し「ありがとうございました!」のあいさつで締めくくった。

講座の後も仲間と勉強を続けるという中西啓太君(外国語学部英米語学科4年)は「ライバルであり友である皆で、士気を高め合格をめざしています。人との打ち解けやすさや責任感の強さといった私の強みを活かし、生徒の自尊心を高め、彼らに寄り添える先生になりたい」と意気込みをみせた。


▲データに基づき、今の子どもの現実を把握するよう指導 

角野教授は「学生たちには『良い教師』になってほしい。『良い教師』とは、学校現場で生徒に本気で向き合える教師のこと。熱心な教師と出会った生徒は熱心な先生になるといいます。今、私たち教員がしっかり手助けすることで、彼らもまた熱心な教師になってほしい」と期待を込めた。

夜スペは、毎週火、水、木曜の午後4時50分から6時20分までの1時間半行われる。角野教授の他、岡澤潤次・同学部教授、明石一朗・短大部教授が担当。講座には、4年生や科目等履修生の他、「大阪府教志セミナー」や「大阪市教師養成講座(小・中学校)」の合格をめざす3年生も参加している。4月7日から5月19日までと、教育実習後に再開する6月23日から7月16日までの2ラウンド構成。今後は留学から帰ってきた学生も参加し、例年80人程度で学び合う。

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