大学院主催「英語教員のための夏期リフレッシャーコース」開講 現役教員、教員志望学生らが受講

 関西外国語大学大学院が主催する夏恒例の公開講座「英語教員のための夏期リフレッシャーコース」(後援=大阪府教育委員会・大阪市教育委員会・枚方市教育委員会)が8月6日、中宮キャンパスのICCで開講しました。英語教員のほか、英語教員志望者、英語教育に関心のある市民らが対象で、今回は地元関西各府県を始め、東京、埼玉、鹿児島などから参加していました。10日までの5日間、小中高校の英語授業の改善などに向けて、本学大学院、学部の教員計13人が英語学や英語教育学分野の最新成果を交えて講義します。

▲東京や鹿児島からも参加した公開講座「英語教員のための夏期リフレッシャーコース」

 6日午前、開講式があり、大学院外国語学研究科長の大庭幸男・外国語学部教授があいさつし、「英語を中心としたグローバル化の波が学校教育の現場にも押し寄せている。この講座は大学の研究で得られた成果や知見を教育の現場に生かしてもらうのが趣旨で、講座を通して新たな英語の側面を認識し、英語の授業力の向上につなげてほしい」と話しました。

▲開講式であいさつする大庭幸男外国語学部教授(大学院外国語学研究科長)

 外国語学部の小栗裕子教授は「学習意欲を高めるためのいくつかの試み」と題して講義。コミュニケーション力を養うためのカリキュラムが重視される英語教育の現場では、インプットとともにアウトプットやインタラクションも不可欠だが、そうした行為は不安や緊張感を伴いがちだとして、教室内で生じる不安をできるだけ少なくし、学習意欲を高める指導法について考察しました。

 授業では、ビンゴにならって縦横4問ずつの英語の質問をクロスさせ、計16マスの回答を書き込むゲームが行われました。質問は1人に対し1問ずつと決められ、受講者同士の接触が活発になりました。また、英国のロックグループの曲が流され、歌詞の中の単語を当てるゲームも行われました。一部の単語が欠落した歌詞を印刷した用紙を見ながら、席が隣り合った受講者がにぎやかに相談していました。

▲授業を行う小栗裕子・外国語学部教授

 講師とテーマは次の通り。
【8月6日】
◇大庭幸男(大学院外国語学研究科長・外国語学部教授)「自動詞から他動詞へ-他動詞文の構造パターンを利用して-」
◇西村孝彦(英語国際学部教授)「”Visualizing and Output”重視の英語教育-発信型アクティブラーニング」
【8月7日】
◇近藤富英(外国語学部教授)「英語教育と異文化理解の常識・非常識-効果的なコミュニケーションと異質なものとの共存法を求めて」
◇森住衛(客員教授)「英語の<なぜ>の答え方20-授業における認知的指導の試み」
◇澤田治美(外国語学部教授)「意味論・語用論を活かした英語の授業―”x as…as y”構文の意味解釈をめぐって―」
【8月8日】
◇小谷克則(英語キャリア学部教授)「言語教育とコーパス」
◇小栗裕子(外国語学部教授)「学習意欲を高めるためのいくつかの試み」
◇山梨正明(外国語学部特任教授)「認知言語学-英語教育への適用の可能性を探る」
【8月9日】
◇中嶋洋一(英語国際学部教授)「自律的学習者を育てる授業のあり方」
◇村上裕美(短期大学部准教授)「英語授業学-魅力ある授業の実現へ」
◇中野研一郎(短期大学部准教授)「英語を教える上で知っておきたい英語と日本語の世界観」
【8月10日】
◇岡田伸夫(英語キャリア学部教授)「英文法の内容とその指導法を見直そう!」
◇伊東治己(外国語学部教授)「文型指導再考-発達論的文型指導論の考え方と進め方-」
 
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