STUDY ABROAD REPORT 留学レポート
≪The Path to Studying Abroad≫ 外国語学部英米語学科2年 栗岡瞭伍さん Vol.2/自信を持って積極的に発言したい
8月から2年間にわたり、ウェスタンオーストラリア大学への学位留学を予定している栗岡瞭伍さんは現在、厳しい準備教育プログラムを受講しています。留学までの半年間、どのような学修を積み、体験を重ねているのか。栗岡さんがレポートします。
▲8月からの学位留学を目指して準備教育プログラムに取り組んでいます
留学前準備教育が始まってからもうすぐ2カ月が経とうとしています。2月3日から始まったハイレベルで内容の濃い準備教育プログラムにも、少しずつ慣れてきました。おかげで、海外の授業スタイルがより鮮明にイメージできるようになってきました。
私は2年間の学位留学に備えて、留学生別科のオールイングリッシュの授業を4科目を受講しています。1科目につき週2回、1週間で計8回の授業があります。受講しているのは「歴史」「日本のジェンダー問題」「漫画文化」などに関するクラスで、いずれも学術的です。
授業はすべて午後に集中しているため、午前中は予習や課題の学修に充てています。特に歴史の授業は覚えることが多く、語彙が難しいため、予習に時間をかけ、〝つながり〟を意識して学修しています。
漫画クラスは〝描く〟ことよりも、その影響や文化の違いを考える内容が中心です。特定のスキルを必要とせず、だれでも参加できる授業になっています。
▲1週間で計8回のオールイングリッシュの授業を留学生と共に受講しています
最初の1~2週間はあっという間に過ぎてしまいました。ついていくだけで大変でした。予習のためのリーディングの量の多さは想像以上でした。これまでに経験したことがないようなクラスメイトとの活発な議論や質疑応答は、どれも新鮮でした。同時に大きなプレッシャーも感じました。
特に授業中は、グループ内での議論に加え、クラス全体が注目する場面で発言する機会が多く、慣れるまでは精神的な負担が大きかったです。
受講しているのはいずれも魅力的な授業ばかりです。その中からScott C.M. Bailey教授の「Asia in World History to 1500」を紹介します。授業は日本やアジアに焦点を当てています。日本人の学生の意見は特に重視され、発言の機会が多く与えられます。
▲Scott C.M. Bailey教授の「Asia in World History to 1500」の授業です
ある日の授業では「アジア文化の特徴」が議題でした。西洋との比較やアジア地域の独自性を念頭に、クラスメイトと話し合いました。私のグループにはスウェーデンから来た留学生もいたため、新たな視点も得ることができました。
議論の中で特に強調されたのは、ヒエラルキーの重要性でした。アジアでは集団意識や社会的な立ち位置を重視する文化があります。私自身も強く感じているように、日本の「学歴社会」や、「スクールカースト」などはその象徴的な例と言えるでしょう。家父長制なども相まって、西洋ではあまり見られない特有の社会階層が形成されてきました。
ジェンダーのクラスにも似たような議論がありました。他の授業で学んだ知識や発言を生かすことができました。それぞれの授業の成果が相互的に、そして実のある形で活用できていることを実感しています。
▲積極的に自信を持って発言できるよう授業に臨んでいます
このような授業スタイルの中で、クラスメイトや教授との交流を深めるには、徹底した予習と復習に加えて、クラス外での学習時間を十分に確保することが欠かせないと強く実感しています。
自信を持って積極的に発言するためには、積極的にアウトプットすることが重要だと思います。予習の際に気が付いたことはしっかりとメモを取り、心に残ったことは必ず口に出しています。そうすることで、不安な気持ちを抱えることなく自然体で授業に参加できるし、発言もスムーズになります。
まだ慣れないことが多く苦戦しています。しかし、オーストラリアでの留学生活のスタートを最高の形で切るためにも、毎日しっかりと考えながら過ごしていきたいと思います。
くりおか・りょうご/大阪府出身。大阪府立いちりつ高校卒業後、2023年4月に関西外国語大学外国語学部英米語学科に入学した。留学生と外大生の交流を深めるイベントのリーダーとしても活動している
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